僕の姉ちゃんの前世はあの有名陰陽師だったらしい。

夢月みつき

第1話「僕と姉ちゃん」

 ❖登場人物紹介❖


 松永健斗まつながけんと

 主人公、中学生男子、13歳。

 松永家の長男、実は千年前の法師、蘆屋道満あしやどうまんの前世の魂と記憶を持っている。

 まめな性格で、神経質。姉、麗良のパシリ?

 姉にはバレたくないことがあるようだが……


 松永健斗AIイメージイラスト

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818023213360995387


 松永まつながれい

 中学生女子、15歳。

 松永家の長女、実は千年前の大陰陽師、安倍晴明あべのせいめいの前世の魂と記憶を持っている。

 ずぼらな性格で出来るなら、一歩も動きたくないタチ。

 座右の銘は、“立ってる者は弟でも使え”


 松永麗良AIイメージイラスト

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818023213360767301

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



「おい、健斗けんと。そこの煎餅せんべい取れ」

 ソファーに横になりながら、偉そうな言い方でテーブルの上の海苔煎餅を指さす、青髪ツインテールの赤ジャージ上下姿の女もとい、こいつは僕の姉ちゃん。松永まつながれい、年は15歳。



 そんで、青髪の短髪でTシャツ、スラックス姿の僕の名前は松永健斗まつながけんと。このずぼらな姉とは、似ても似つかない。賢くて、美少年な13歳。




 僕と姉ちゃんは、前世の記憶を持って生まれて来た。

 姉ちゃんは、陰陽師安倍晴明、僕は、晴明のライバルだった法師蘆屋道満。

 二人とも千年前の人間の記憶と、魂が現在のものと同居している。

 

 だから、さっきのような男言葉や性格でいることもある。

 でも、それは周りの人には内緒だ。




 ついでに僕が姉ちゃんを好きなことも、ナイショ。言ったら呪術で黙らすからね?

「姉ちゃん、自分で取んなよ。目の前にあんのにさ」

 僕は素っ気なく返答を返した。

「なに、自分で取れと?〇×△〇×□~」

 突然、ピコピコハンマーが出現し、僕の頭をピコンと叩いた。



「それだよ、それ!取りたくないなら、呪術で取れって言ってんだよ!ナマケモノ陰陽師!」

「フン!なんの為にお前がいるんだ?生臭坊主」

「今は坊主じゃねえし、今も昔もお前のパシリじゃねえ!」

「では、下僕げぼくだ。下僕、決定~」

 二人そろって、感情が昂ると晴明と道満だった頃の口調が出てしまう。



 本当に、この姉にも困ったもんだ。えっ、好きになる所なんかないじゃないかって?

 それはまあ~、腐れ縁でもあるんだけど。千年前は、いがみ合い敵同士だった。

 可愛さあまって憎さ百倍、と言うのもあって。ただ、こいつ昔も今も容姿だけはいいんだよ。 悔しいけど!まあ、僕の次にな。



 ❖



「あっ、母さん」

 仕事が終わった母さんが、部屋に入って来た。母さんは、小説家をしている。

 姉ちゃんの雰囲気がガラリと変わる。

 きゅるるんっと擬音が聴こえるかと思うくらいに。ケッ……


「ママっ!お仕事お疲れ様っ。疲れてるでしょお?レイが肩もみしたげる」

「あら、ありがとう。レイちゃん。ママ、感激!」

「ああーっ!普段の姿を母さんに見せてやりてえー」



 僕がげんなりしながらぼそりと小声で呟くと、姉ちゃんが背後に鬼神を従えさせながら張り付いた笑顔で言う。

「なにか言った?健斗くん♡」

 ええ!〇される!


「ナンデモナイデス、オネエサマ……」

 冷や汗たらたら、こいつ本当、ええ。でも、そんなところもまた…僕はもしかしたら、ドMなのかもしれない。

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