無機質な高校生も変わっていく

@syuimee2

無機質な高校生も変わっていく



「いつまでこんな生活が続くんだろう。」




そう呟く少年は、

レンジで温めたコンビニ弁当を取り出し、

いつも通りの時間、

いつも通りの弁当を食っていた。




これは、都会の真ん中で無機質な生活を送り続けていた高校生が変わろうとす物語である。






...で、あるからしてif構文はelse等を用いて分岐が作れます。。。




新宿の某大手予備校にて。



少年は2年後に控える受験のための勉強のため、授業を受けていた。




周りに見渡すと生徒達は学生服やどこかのブランドなのか、生地のしっかりした服を着ていた。



対して、少年は某大手格安ブランドの私服に身を包んでいた。

しかもかなりラフである。




まるで、学校なんて通っていないかのような姿。



少年は、周りで授業を受けている同学年の少年少女がどこか眩しく見えて、

同時に自身に後ろめたさを感じていた。




...以上で、本日の講義はここまで。ありがとうございました。



講師の授業の終わりの掛け声と共に、


周囲の少年少女は通っている学校のものであろう鞄を片手に帰り支度をしていた。




釣られて少年はどこかチープなリュックサックに教材をしまい、

そそくさと教室を抜ける。



帰り際、講師スペースの前を通ると、



自分と同じであろう受験生が講師にテキストを片手に不明点を聞いていた。



(自分も、実はわからないところがあった。)




聞きたいことがあった少年だったが、

どこか勇気が踏み出せず、それを横目に帰路についた。




建物を出ると、


新宿駅前の雑多に歩く会社員やチャラい格好をしている人たちがいる。





少年は、隠れるようにそこに潜り込む。




周りで聞こえるため息や明るい声、



少年にとって全部が羨ましく感じた。





少年は通信学校に通っている高校生で、




普通制の登校制の学校に通っている、

いわゆる「普通の高校生」に憧れていて、



その中に入りたいと思い、

なんとなく受験勉強を始めた。



駅の構内に入ると、




先ほどまで近くにいた予備校帰りのおそらく同級生であろう少年少女がちらほらいた。





少年はどこか気まずくなり、同じ電車には乗らず、一本後の電車に乗る。






ガタン、ゴトン。





揺れる車内から見える街並み。



唯一外出するのは予備校に通うときぐらいのもので、


外に出ると必ず毎回見る景色だ。



すっかり暗くなった街並みにポツンポツンと窓から灯りがつく。




少年はどこかそれが眩しく見えた。







帰り際にコンビニへ寄る。




高校生の間だけ限定で借りたアパートに一人暮らしの少年は、



料理なんか面倒くさく毎度の如くコンビニ弁当とパンを買っている。





余談だが、


少年は食費がもったいないと思い、


1日昼だけ食っていた時期があったが、


とんでもなく体調を崩したため、



いまでは食べないよりはマシということで、

いつもコンビニ飯を食う。


ご飯はちゃんと食べたほうがいいらしい。





袋は大丈夫です。





少年はリュックからエコバッグを取り出し、弁当を入れると家に向かう。






アパートに着き、2階への階段を登り自室のドアを開ける。





電気が付いていない真っ暗な部屋に、灯りを灯す。






コンビニ弁当をレンジで温め、食事をしてその後は趣味のネット小説を読み漁る。





(そういえば昨日も同じ弁当だったな。)





好きなジャンルは主人公が活躍する転生もの。




読みあさっているうちに、気づくと時計の針は3の数字を指していた。



少年は電気を消し、布団に入り眠りにつく。





家の外から車が多く行き交う音と共に、朝?起きる。




いつも通り5錠の常用薬をお茶で飲み、身だしなみを整えたら、




パソコンを開き高校の単位を取るために、


アーカイブに残る授業をレポートを提出しながら視聴する。





昼になったら前日に買ったパンを食べ、動画を再度見る。




そして時間になったら身支度を整えて予備校へ向かう。





少年はこの生活を高校入学から1年ほど続けていた。






だが、いつしか精神的にも身体的にも体調を崩し始める。




医師にも勧められて、予備校以外に外出をするようになったりするが、


外出というものの、


近所にある花が並んでいる公園?のような道を歩くだけで、


ほとんど変わらない生活を続けていた。





そんな生活も2年目になり、少年はノイローゼになる。




持病の他に、



自律神経失調症のようなものも併せて発症し、




酷い時は最悪、シャワーで冷水を浴びていた。






ノイローゼになり初めて1ヶ月ほど経った頃、少年はとある動画を見つける。




それはとある動画プラットフォームに上がっていた、




Vlog動画(実写の日常や旅を記録した動画)だった。




それを見ていくうちに、少年は動画の中の出演者に憧れるようになる。





自分もどうにか、自身の生活をこういうふうに充実させることはできないだろうか。



少年は充実してそうな他者に同時に嫉妬し始めた。




案外そこから行動は早かった。





手始めにちょうどその時学校で募集されていた職業体験に、何も考えず応募した。





結論から言うと、少年にとって職業体験はきつかった。




単身見知らぬ北陸の街へ行き、


数日ほど過ごすのだが、



開催されるグループワークへ参加したり出された課題に取り組まなければいけなかった。




しかも全部が必ず誰かしらと接するワークだった。




始めは精一杯頑張ったものの、


2日目の夜にねを上げ始め、スタッフの人に体調が悪いと相談した。




相談したスタッフの方はとても優しく、

少年の症状だけでなく、


それまでの過去のことまで聞いてくれた。





生きづらいね。




あなたは充分頑張ってるよ。






シンプルな言葉だが、



とても温かみを感じ、少年はその晩は泣き腫らした瞳のまま安心して眠りについた。





翌日、少年は立ち上がり、グループワークに再び参加するようになった。





そうしていくうちに、



職業体験は最終日を迎え、



気づいたら一緒に来ていた同級生とも仲良くなっていた。




空き時間に雪が積もった街を探索したり、


神社にお参りに行ったりした。




最後には一緒に集合写真を撮った。




その経験は少年にとっても大事な経験になった。



少年は、



高校生の自分がお姉さんに泣きながら相談したことに関してのちに恥ずかしさを覚えるも、



深く感謝をし、そこから生活を変える努力をし始める。





趣味を見つけようと思い、


将棋や麻雀を見つける。



そして将棋カフェやネット麻雀で人と交流することもあった。




家族と一緒に色んなところに出かけるようになった。






色んなことをするようになった。






いつのしか、少年は多少は強くなった。




色んな良い人の出会いと助けのおかげで、



少年は変わることができた、と思う。





今度は自分からもっと積極的に行動し始めるようなりたい。





いつしか少年は好きだった動画プラットフォームの専門学校に入学して、


色んな活動を始めたりする。







それはまた別のお話で。





出会った色んな人に感謝を込めて。



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