小さな悪魔と大きな天使

雨蛙/あまかわず

プロローグ




『人生は選択の連続である』




どこかの有名人がそんなことを言っていた気がする。


人生における選択は大きなものだけじゃない。「お昼は何を食べようか」「今日はどこへ行こうか」こんなちょっとしたことも人生の選択と言える。


私たちがそんな人生の分かれ道に差し掛かった時、心の中に潜んでいた悪魔と天使が現れてそっと耳元にささやいてくる。そんな現象を見聞きした人は多いと思う。


かくいう私にもそのような現象が実際に起きてる。


幻覚だ妄想だというかもしれないけど話すこともできるし触ることもできる。確かにそこに存在している。


だけど周りの人は見ることはできないし聞くこともできないみたい。私だけの存在だ。


右にいるのは悪魔。頭には角、長い尻尾にこうもりのような羽、手のひらサイズでマスコットみたいな見た目をしている、悪魔のわりにかわいいやつだ。


左にいるのは天使。頭には金色の輪っか、まぶしいくらい白い服、ふさふさの羽、つい見とれてしまう美しさだけど、身長180cmぐらいある。


明らかにバランスがおかしい。こういうのってどっちとも手のひらサイズだと思うんだけど。


そんな2人が今日もまた私をそれぞれの道にいざなってくる。そんなお話。

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