卓球挫折日記

狼男

第1話  

 田辺正義は卓球場にいた。エレベーターゲームをしている。1セットマッチの試合を繰り返して、勝ったら上の番号の台へ、負けたら下の番号の台へ移動する。毎週月曜日と金曜日の夜に実施している。田辺はラリーはできるのだが、なぜだか実践ではなかなか勝てない。

 初めて、卓球道場に行ったのは大学2年生の冬ごろだ。所属していた文化サークルのメンバーと卓球をすることになり、近辺の卓球場を探したら、卓球道場「ピンポン道場」がヒットした。

 そこでは、卓球の経験者が集まって毎週試合しているらしい。受付にいる店員さんからそう教えてもらった。

初日に参加することにした。結果、ボコボコにされた。勝てた試合がなかった。40代の方の主婦に11-4でまけた。カットマンでバックサーブが早くて、ツッツキでレシーブをしたところ、あらぬ方向に飛んでいく。フォアのサーブもとれなかった。

もう、卓球なんてやめてしまおうかと思った。最初のフォアうちができてるのに。

中学生も皆強い。田辺自身は中学スタートで高校も卓球部に所属していた。だから、素人でばない。

そんな彼が自信をなくすほど、この道場の人は強かった。途中で逃げ帰ってしまった。

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