破壊衝動を抑えられない俺でも勇者はできますか?

おばけのゆ~れ~

第0話 やべーやつ召喚

 「これより、勇者様召喚の儀を始める」


 「ただいまより、勇者様転送の儀を始めます」


 「どうか我が国『雷聖国ゼウサス』を、我が大地『ミアギ』をお救い下さい!」


 「勇者、壊原かいばら!転送!」


 鼓膜が破れそうなほどの轟音が城を揺らし、いかにもな魔法陣の上に男が一人立っていた。

 降り立ったその男の姿は、勇者らしい紋章...は見当たらないけど、勇者らしい盾と剣...も無いけど、凛々しい顔立ち...というか人殺してそうな顔してるけど...というかスーツ姿だけど...。


 「あー...お主が勇者様...かね?」


 召喚者もあまりの外見に「あー...」とか言ってるし。


 「あ、うっす...」


 今年で100年経つ勇者召喚の儀。


 100年目で初めて「微妙な空気」が流れた。

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