最強の英雄は復讐がお望み
紫野 葉雪
第1話
俺..
だが、真相は違った。 自分で言うのは違うが俺は強くなりすぎたのだ。 そのせいで国に矛先が向くと恐ろしいと考えた王がしでかしたこと
だったのだ。 周りの人々も王の判断を喜んだ。
宴会騒ぎしていたくらいだ。 王曰く、俺はただの操り人形だったのだ。
その全てを知った俺は怒り狂った。 だが、殺すだけでは足りない。 王はもちろん、その周りの人間と国民全員をこの手で地獄の苦しみを与えることにした。 まずは、城にいる全員を潰す
ことにした。 今いる場所は今まで家族と暮らしていた家だ。 国の人々は俺が真実に気づいたことに気づいていないため、俺の魔法で作った人形でも置いて置く。 その人形は、魔法を使う
ことができ、俺の声で喋ることが出来る。
俺に似た容姿で近くで見ないと分からない
くらい精巧に作っている。 それを置いて俺は
気配消して王がいる城に向かう。 今の時間は夜だ。 自分の姿を消す魔法を使っているため、
昼でも問題はないのだが念の為だ。
そして、家を出る時俺はしたことないほどの
悪い顔をして不敵に笑った。
「さぁ、ショータイムの始まりだ」
と、狂ったように言い家を去った。
そして、王の城の門に着いた。 すると、いつも話している門番達の会話が聞こえた。
「なぁ、どうして王様は暗崎様にあんな酷いことが出来るんだ? それに、どうして事実を言わせてくれないんだ? 会う度に土下座したくなる
のに」
「そうだな。 俺もそう思ったよ。 でも、主君の命令は絶対だ。 でも、もし暗崎様が本当のことに気づいて王や俺たちに復讐をするとお思いになったらそれを真摯に受け止めて殺してもらおうぜ」
「そうだな」
と言う会話をしていた。 殺そうと思ったナイフを隠して少し来た道を戻って魔法を消して再び門番達の元に行く。 すると嬉しそうに駆け寄って来てくれた。 俺はこんなに良い奴を殺そうとしていたのかと罪悪感があった。
「暗崎様! 今日は何の御用ですか!?」
「こんな夜に王様に呼ばれたんですか?」
「いや、俺は王様を殺そうとしている」
「「!?」」
俺は、はっきりと言う。 すると門番はその場に跪き首を差し出してきた。
「今まで真実を隠しててすみませんでした。
謝って許されないことなので俺がこいつの
代わりに償います!」
「いや、俺も同罪だ! 暗崎様、本当にすみませんでした! 俺が代わりに償います!」
「いや、そんなことしなくていい。 さっきの話しを聞かせてもらった。 お前たちは悪くない。
だから、俺は殺さない。でも、ここを通して
くれないか?」
「「仰せの通りに」」
そう言い門番達は1ミリも動かないまま土下座をしていた。 俺はいたたまれなくなり2人に顔を上げさせ、立たせた。
「すまないが、お前たちは一緒に来てくれないか?」
「「いいんですか!? 喜んで!」」
「そうか。なら、同じことを思っている人を全員外に連れてきてくれ」
「「はい!..と言いたいところですがそう思っているのは俺たちしかいなくて..」」
「そうか。なら、加減する必要ないな。とりあえず、お前たちは気絶してた方が立場が悪くならないよな?」
「「!? 俺たちのことまで考えてくださる
なんて! 光栄です!」」
...何でこの2人こんな息ぴったりなんだ?
まぁ、俺の知ったことじゃないか。
そう考えながら俺は門番2人を気絶させて姿を
消す魔法をかけて進む。
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