47 依頼報告
朝になってステータスを確認すると魔素が9万以上貯まっていたので簡易鑑定のメガネと念話を交換する。
これで相手の念話に返事ができる、奴隷商会の人の名前は覚えていないが多分念話してくる時に名乗るだろう。
簡易鑑定のメガネを試してみたが薬草は薬草という名前で下級ポーションの材料になるとしか書かれていないし、毒消し草も毒消し草で毒消し薬を作れると書かれていて、交換で手に入れた毒消し薬は下級に属する毒を中和すると書かれていた。
下級の毒なら何でも治してくれるのなら毒になったら取り敢えず飲んでおけばいいので街で買える物も同じなら多めに常備しておきたいな。
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念話
声の届かないほど遠くの顔と名前を知っている相手に話しかけることが出来る。返事をもらうには相手にも念話のスキルが必要。
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ゴブリン達にはシャドウキャット狩りをしてもらい9人で森を歩いていく。
街へ向かいながら森でアイアン依頼用の魔物を倒して討伐証明を剥ぎ取っていく、皮と肉は準備部屋に大量にあるから放置だ。
あまり大きな街じゃないんだけど50匹以上のウルフ肉さばききれるのかな?冷暗所なら1週間は持つだろうけど加工するにも塩が必要だ、獲り過ぎると断られることもあるのかな。
もしかしてそのための高ランク依頼?
森の出口に近づいた所でフォレコ達には帰ってもらい昼を過ぎた頃に門へ辿り着く。
「そういやこっちの食事ってまだ食べたこと無かったな、何か屋台で買って食べてみるか。」
屋台で肉串とナンの様な物とスープを買って冒険者ギルドの机に並べて食べ比べてみる、肉串は1本銅貨2~5枚で肉の種類で値段が違った。
ちなみにホーンラビットが3枚、ロックウルフが4枚だ味はホーンラビットのほうが美味しいがサイズは倍違い2枚の肉はネズミだったので勇気が出なくて買っていない。
ナンのような物はフランスパン並みに硬いが味はよく飲み物があれば美味しく食べれる。
味付けは塩だけとはいえ総じて美味しかったのだがスープだけは温かい塩水に野菜がほんの少し浮いていただけだったので塩漬け肉と蕎麦のスープの方がまだ美味しかった。いつか泊まる宿の物は美味しいといいな…
食事がほぼ終わりシドーとスカラの食事を持ってくるついでにゲートを通って持ってきた麦茶を飲んで休憩していると受付嬢が紙の束を持ってやって来た。
「ショート様お時間よろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫ですよ。」
「以前納品された品関連の物で、もしまだお持ちでしたらご検討いただけませんか?」
差し出された皮紙の束を受取内容を確認する。
パラライズパピヨンの粉やモウドクドクヤガエルの毒もあるが半分以上が淫魔の体液でなんとか商会やなんたら家など覚えておいたほうが良さそうな名前が並んでいた。
「一応クルス達も見ておいてくれ、麻痺と毒は足りないものもありますけど体液はすべて大丈夫ですね。
結晶体とコカトリスの羽は在庫がありませんね。」
「そうですかありがとうございます。
結晶体は手に入れて来てもらうことは可能でしょうか?建設ラッシュが続いていてできるだけ多く欲しいのですが、」
「この辺にいるなら取りに行きますけど他の街まで取りに行くようだとちょっと無理ですかねぇ。」
「やはりそうですか…この辺ではまだ光属性の魔物が確認出来ていないので無理そうですね。
ではこちらの依頼はどうでしょうか、オークの村討伐依頼なのですが依頼を受けていたパーティが失敗してしまって期限が迫っているんです。
村の場所も分かっているのですがシルバー以上の冒険者が今出払っていまして、いかがでしょうか?」
「オーク?そんなに強い魔物じゃなかったと思いますが。」
「ええ、1匹だったらアイアンのパーティでも倒せるくらいなんですがシルバーの即席パーティが失敗してしまいまして。
デクオンの街への街道に被害が出ているので出来るだけ早く解決していただきたいんです。」
「まぁオークくらいなら大丈夫でしょう。街道に出てるオークと村はどちらを先に倒したほうがいいですか?」
「村ですね、村が全滅したらそんな危ない所からは離れていきますので。どうせ完全な全滅なんて無理ですしね。
村を討伐した後街道まで進んで北上してくださればよろしいかと。」
「分かりました、納品が終わったら受け付けに行きますね。」
「はい、お待ちしております。」
受付嬢と分かれて机の上を片付けると先に買取カウンターへ行って肉と毛皮を出して計算してもらう。
「おいおい、お前の魔法すげぇなどんだけ入るんだよ。」
「一部屋くらいですかね?ちょっと多いけど買い取り大丈夫ですかね?」
「ああ、これくらいなら大丈夫だ。鮮度も余裕ありそうだしな、だが加工するにしても限度があるから程々にしといてくれよ。
この量だと10日に1度くらいかね、肉類は新人共の大事な収入源だから買い取りを止めるわけにもいかねぇからな。」
「なるほど、ただ次もオークの村討伐受けるので量が増えそうですが…」
「ああ、オークは大丈夫だあれは干し肉として人気があるから塩がある限るいくらあっても構わねぇよ。交易品になるからいくらでも作れるし油も取れる、骨も出汁が取れて捨てる所無しよ。」
「へーそんなに味が違うんですか、兎と牛くらいしか食べたこと無いけど買ってみようかな。」
「牛食ったことあるならそんなに感動はしないと思うけどな、油がうめぇのよ。
ほれ終わったぞこれを受付に持ってけ。」
「ありがとうございます、それでは。」
木札を受け取って今度は依頼完了受付に向かう。
受付に木札とロックウルフやアースタイガーの牙と依頼書やゴブリンとホーンラビットの角など常設依頼の品を出す。
「おめでとうございます、今回の分でお二人がブロンズにランクアップされます。
報酬が合計で銀貨46枚と銅貨25枚になります、報酬は3人で分けますか?」
「いや、分けなくていいよ。アイアンとはいえもうランクアップするのか。」
「お二人は装備もそろっていますしシルバーのパーティに所属していますから少し上がりやすくなっていますからね。
と言ってもそんなに変わりませんが、普通にやっても失敗せずに20回依頼成功したらブロンズには上がれますし。
報酬の確認をお願いします。」
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ランク:ブロンズ
名前:クルス
パーティ:森猫の影
賞罰:なし
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ランク:ブロンズ
名前:ショウト
パーティ:森猫の影
賞罰:なし
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「そういうの言っちゃって大丈夫なんですか?」
「大丈夫です教えてくれる先輩がいるなら他にも教えてくれるでしょうし情報を集められるのも実力です。」
「そういう物ですか。はい、丁度ありました。」
「ありがとうございます、またよろしくお願いします。」
報酬を革袋に突っ込んで隣の依頼受注受付に並ぶ、コインが200枚近くあるとかなり重いし邪魔なんだがなんとかならない物だろうか何か魔道具とかあるのかな。
並ぶのをクリス達に任せて俺は先程頼まれた品をリュックに入れてからゲートから出る。
「先程見せてもらった依頼をお願いします。」
「ありがとうございます、冒険者カードをお願いします納品物もここにお出し下さい。」
「はい、これでお願いします。」
「確認いたします。」
カウンターに出した素材を後ろで待機していたスタッフに渡して受付嬢は受注処理を並行して行うようだ。
「計算が終わりました、依頼9回分と端数買い取りで合計銀貨54枚と銅貨28枚になります。
そしてこちらが受けていただくオークの村討伐の依頼書と地図となります、期間は5日となっておりますのでご注意下さい。
それから睾丸の採取にこちらの瓶をお使い下さい、肉や皮は廃棄しても構いませんが睾丸は持ち帰るようお願いします。
ご存知の通り淫魔の体液と合わせて高額な薬の材料になりますのでお忘れ無きようお願いします。」
「え、あーはい了解です、それでは。」
オークの討伐部位が睾丸だから持ち帰る予定ではあったが念押しして容器まで貸し出すぐらい必要とするとは淫魔の体液を売りすぎたか?
作れる薬もたぶん精力剤だと思うんだけどそんなに効果があるんだろうか、興味はあるが俺が作ると下手すると全部失敗してしまうんだよなぁ。
もらった地図を見ると本当にこの街から1日南東に行った所に巣があるらしい、近くに人間の村もあり急いでいるのも納得だろう。
明日は午前中に奴隷商会に行ってそのまま向かうとしよう、どうせ買うのは怪我人なので戦闘をしてもらう予定も無いしな。
冒険者ギルドから少し外壁側の奴隷商会に近い所に移動してゲートに入り夕飯を食べるために自宅へ戻る。
そういえば念話の実験をしないと。
結論を言うと俺から召喚獣への念話は異世界から地球でも届くが、母への念話は異世界からは届かず、準備部屋からは届いた。
ということは俺は今後緊急の連絡が来るようになったら出来るだけ準備部屋で生活を送るようにしないといけなくなるかも知れない。
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