第38話 ドラマ版深夜食堂の脚本が手堅い

 たまたま撮ってあった「ドラマ版深夜食堂」を数話観たのだが、非常に手堅く簡明な作りをしていていいなと思った。趣味で小説や脚本を書いている人に参考としてオススメしたい。生真面目に起承転結で書かれ、伏線もわかりやすく、展開に無理がない。それでいながらきちんと面白さを担保している。原作があるとはいえ、これだけ素直な作りをしている脚本や演出を見ると、ほっとしたような気持ちになれる。「あたりまえ」が「あたりまえ」に進んでいくというのは、上手な作家でもなかなか難しいものなのだ。


 わたしは「簡明」という言葉が好きだ。特に小説において知ったような知識や言葉を並べて自己陶酔するような作品よりも、言葉が平易で淀みのない作品に「プロフェッショナリズム」を感じる。難しいことを簡単に書ける才能は努力では手に入れることが難しい。一種の天性みたいなものだ。難解なものに素直さと物事の真理を外さない賢さが必要だからである。


 本文も簡明とは程遠くてどうしようもない駄文であるが、ドラマ版深夜食堂のシナリオや演出はとても簡明であるので、是非一度観てもらいたいと思った次第である。


(感想より)


※大昔の「水戸黄門」のように、結末はわかっているのについ観てしまうやつです。(2024.3.11)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る