第9話 鳥篭の中の愛
大事なものは誰にも見つからぬよう、厳重な管理と保管をするものだろう。だからわたしは彼女に対してもその理屈に従ったまでだ。いかなる非難にも値しない道理を持って、わたしは彼女を愛している。ほんの少しだけ後悔するとすれば、彼女の体と魂が傷んでしまったことであろう。いや、それすら些細な事でしかない。だって彼女はこうしてわたしの傍で寝ているのだから。わたしの部屋から一歩も出ることなく、彼女はわたしだけを見つめ求めてくれる。決して監禁しているわけではない。部屋の鍵はいつでも開けることができるし、窓にはロックなどはしていない。彼女が嫌がればいくらでも外に出て行けるのだから、わたしは法を犯しているわけではない。あくまでも外界の汚れたものから守りながら、丁寧で密度の高い愛情で、互いの胸と胸を合わせて接しているだけなのだ。
(鳥篭の中の愛(未完)より)
※例のごとく先に書いてあったラストシーン。あまりにも気色悪いので没に。鳥籠の中の愛に憧れる年でもあるまいに。(2024.2.15)
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