第18話
よくよく考えたら自宅で見知らぬ女が死ぬのも後味やら後処理やらが大変なので、俺はできるだけ秋葉の料理の手伝いやら食器の準備に奔走した。
そうして約1時間後、手の込んだ煮込みハンバーグが完成……いや、時間かかり過ぎだわ……
なんでこのタイミングで手の込んだ料理を!?
いや、そもそも、同級生の家でこんなもん作るか普通!? 多分てか絶対酸欠で倒れてるよあの人……
恨めしく秋葉を見るも、渾身の料理を作って満足そうな、得意げな表情をしている秋葉を見ると何も言えなかった。
とにかく早く平げてしまおうと、食卓につき、手を合わせた。
「い、いただきます……」
「はい、召し上がれ」
新婚みたいな謎のやり取りを交わし、熱々のハンバーグを口に運ぶ。
う、美味いっ……そう思ったのは最初の一瞬だけで、後はもう味なんて分からず、とにかく早く平げる事だけを考えた。
すると、秋葉が言った。
「……なんでそんな急いでるの? 喉に詰まらすわよ?」
「うっ……あ、いや、すまん。このハンバーグがあまりにも美味過ぎて、思わず夢中になっちまった」
「……そ、そう」
「あぁ」
秋葉の鋭いツッコミに、咄嗟にそう返すと、納得してくれたみたいで、手を何度もエプロンで拭い、料理のために括ったポニーテールを揺らしながら、秋葉が何故か嬉しそうにはにかんだ。
あ? なんだ? 餌付けする喜びにでも目覚めたのか?
まぁ、今はそんな事はどうでもいい。
納得してくれたのなそれで充分だ。
とにかく、急がなきゃ……
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