第10話ホントの愛

「愛」ってヤツはホントに分からない。

数字でも表せないし、辞書で調べても言葉しか分からない。

僕を愛してくれる人はいるだろうか?

お金は無いし、病気だし、挙げ句、性機能不全。

大体、性行為をしたくないのだ。

だけど、僕は自身の事を好きになってくれる女性がいるのか?と、たまに考えてしまう。

でも、また、別れたらもう再起不能であろう。


「愛」って、なんだろうねぇ。

千茶と一緒に過ごす事がとても、高尚なものに感じる。

もしからしたら、僕は千茶を好きかも知れない。

否、好きだ。

かと言って、性的事はしないし、結婚出来る訳でもない。

この人の人柄はホントに美しい。


「愛」って、無償の善意では無かろうか?

クソガキよりも、千茶の方が僕は合っている。あのクソガキ、僕から全てを奪いやがった。

息子も社会的地位も。

でも、千茶はあと10年すればいい歳になる。

僕は、50代で再婚したい。次はお金目的でない人と。

それまでには働いているだろう……。

ま、そんな妄想はやめておこう。

千茶が1番なんだから。僕はこの人の死に水は取るつもりだ。


頭が良い、性格が良い、清潔、優しい、こんな女性はそうそういない。

この人には、無償の善意を感じる。

ついさっきまでは、自分を責めていたが離婚がなんだ!昨日、指輪を外した。

クソガキに捨てられたのに女々しいからだ。

「愛」ってヤツは、ホントに難しいし、そして美しい。

それが、僕なりの結論だ。

千茶、これからも宜しくね。



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