④王都へ(前編)-2-
女が一人で旅をするのは危険なので、紗雪は冒険者ギルドに護衛の依頼を出した。
内容はこうだ。
依頼:グラナードから王都まで及び王都からグラナードまでの護衛
報酬:二十シルバ/人日
条件:生活魔法を使える人
「皆さんの食事と、宿に泊まれた時の代金は私の方で出します」
「分かりました。馬車であれば往復で十四~五日、徒歩であれば二十八~三十日になりますね。どういたしますか?」
「そうね・・・。徒歩でお願い出来ますか?」
乗合馬車を使えば半分の日程で終わる。
乗合馬車は山賊や盗賊の類に襲われる可能性が高いというのも理由の一つだが、本当の理由は食事にある。
旅行中の自分達の食事は状況にもよるが、今回の旅に向けてマジックポーチに作り置きする温かい料理と飲み物、デザートを用意するつもりだ。
硬いパン、チーズ、干し肉があれば豪華だと言われている中、出来立ての料理を口にしている自分達を目にしようものなら、同乗者はどう思うであろうか。
お金様を払ってくれる人達の分は用意するつもりでいるが、自分からマジックポーチを強奪しようという輩が出てくる可能性も否定できない。
だから紗雪は徒歩を選んだ。
「畏まりました。依頼を受けて下さる冒険者が見つかりましたら、スノー様に連絡いたします」
紗雪が出した依頼を受け付けた受付嬢は笑顔で受け取ったのだった。
「つ、疲れた~」
コロッケサンド、照り焼きチキンサンド、ロースカツサンド、フィレカツサンド、ハムカツサンド、厚焼き玉子サンドといった惣菜系のサンドイッチ、フルーツクリームサンド、ジャムサンドといったデザート系のサンドイッチ、ポトフ、クラムチャウダー、ポタージュスープ、ミネストローネといったスープ、ビーフシチュー、クリームシチュー等を家に帰るなり大量に作りマジックポーチに入れた紗雪。
何時ものように店に卸す商品を購入した後、風呂に入って一日の疲れを取るのだった。
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