第18話 文化祭開催決定(最悪)

 文人と御山さんは昼休みが終わり、教室に戻って授業が始まった。


(やっぱりまだ眠いな)


 文人はそう思いあくびをしながら先生が授業を始めるのを待っていた。


「この時間は二ヶ月後にある文化祭でやる出し物を考えてもらいます」


「「「「「やったーー!!」」」」」


(最悪の行事だーー!!)


 なぜ文人は文化祭が最悪の行事と思っているかというと、去年の文化祭で焼きそばの屋台のの調理をしていたが、いつの間にかそこでいろんな仕事を押し付けられて、ほぼワンオペで苦労している間に他の奴らは普通に遊んでいた事が後から発覚し、文人は文化祭が嫌いになった。


「みんなには教室を使った出し物と体育館でする出し物の二つを意見を出してみんなで決めてください、じゃあここからは委員長が進行してください」


 先生は教室を出て行き、委員長が前に出た。


「じゃあまずは、教室での出し物でしたい事がある人は挙手してください」


「はいはいはーい!教室でカフェをしたいでーす!」


「普通のカフェなんておもんな」


「ここはカフェではなくメイド喫茶にするのはどうでしょう」


「いいアイデアだ!俺はメイド喫茶に一票!」


 と男子達がメイド喫茶に票を入れてる姿を見た女子達は。


「最っ低ー!」


「セクハラー!」


「ゴミクズー!」


 など男子達を罵倒する言葉が教室内の女子達から聞こえてくる、一方その頃文人は。


(眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠いーーーーー!)


 眠気と戦っていた。


(羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、羊が四匹、羊五匹、羊が……………………あっ!危なかったー!)


 度々やってくる眠気の波を文人は何回も乗り越えていたが遂に眠気に負けて眠ってしまった。



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「お………だ…い!」


(あーなんか……幻聴が聞こえる)


 文人が見ている夢の中に声が響き続ける、すると次はハッキリ聞こえた。


「起きてください!文人さん!」


「うわっ!びっくりしたー!」


 目を開けると御山さんが横にいた。


「やっと起きましたね文人さん、もう帰る時間ですよ」


「えっ!」


 と自分が下校する時間まで寝ていた事に驚いたが、それ以上に誰も俺を起こそうと思わなかった事に何より驚いた。


(流石にやばいな……いや!もしかしたら寝てるのバレてないんじゃないか!)


 そんな事を文人が考えていたが、なぜ御山さんがいるのかの方が気になってきた。


「御山さんは何でここにいるの?」


「文人さんがぐっすり寝ていた全然起きそうにないんで、みんなが帰った後にこっそり起しに来たんですよ」


「そうなんだ、ありがとう」


「あと、文化祭で何をするのかも聞いてなかったと思ったので、その報告もしようと思って、ですけどその事は帰ってる時に教えるので早く帰りましょう」


「そうだね、それに早くしないと先生達に迷惑かけそうだ」


 そう言ってすぐに帰る準備をして二人は学校を出た。


「それで結局出し物はどうなったの?」


「教室でやる出し物はドーナツ屋に決まりました」


「そうなんだ」


(絶対に!今年こそ押し付けられないようにしないと!)


「でも文人さんは関係ありませんよ」


「えっ……どういう事?」


 文人はこの時は何を言ってるのかわからなかった。


「体育館でやる出し物が私と文人さんでピアノの連弾をする事になりましたから」


「えっ…………今なんて?」


(きっと幻聴だ、幻聴に決まってる!)


「体育館でやる出し物が私と文人さんでピアノの連弾をする事になったんですよ」


(もしかしたら!まだ夢の中なのかもしれない!)


「……御山さん、ちょっと僕のほっぺたつねってみて」


「えっと、はい分かりました」


 そう言って御山さんは僕のほっぺをつねった、当然痛い。


「夢じゃないのか……」


 その瞬間、文人の思考は数分間止まった、そしてその姿を見た御山さんに謝られた。


「えっと、ごめんなさい!いつの間にか私がピアノを弾く流れになっていて文人さんを巻き込んでしまいました!」


「いやいや!謝罪は受け入れるよ!でも僕、全然ピアノ弾けないから絶対無理だよ!」


「安心してください!私が練習に付き合います!憐ちゃんにも私から言っておくのでお願いします!」


 そう言って、御山さんは文人に頭を下げた。


(どうしよう!どうしようどうしようどうしよう!)


 と思いつつも、文人が返す既に返事は決まっている。


「いいよ、御山さんからの頼まれたら断れないから」


「ありがとうございます!」


(絶対に夏休みの宿題の時よりも地獄の日々が待ってるよーーーー!!!)


 と思いながら文人は家に帰って倒れるようにベッドで寝た、そして次の日から文人に予想以上の地獄が待っていた。




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