第2話「冒険者ギルド」

あれから私は借りている家に帰ってくると、持って帰ってきたレイピアや身につけていたポーチや鞘、懐中時計などを近くの空いてるスペースに少し適当に置いた後。

ベットにタイブしてそのままを目瞑り夢に....


「.....あさ...?」


私はぼーっとしながら窓から顔を出して外を見ると、いつも反対側で見え無いはずの太陽が空に浮かんでいた。


「はぇ...?」


私は手で目をこすって、昨日適当に置いてしまった荷物の中から見つけた懐中時計を取りだして時間を確認する。


「2時.....?」


私は2回それを見返すと、今から起こることを考えたくない....いや、無いかもしれないけど...ある意味死ぬ事より嫌なことが始まってしまう....そんな事を考えていると頭から血の気が引いていく感じがきて....


私はササッと身嗜みを整えると家の扉を勢いよく開けて念入りに鍵を閉めると、冒険者ギルドにダッシュする。

何でそんなに怯えていのかと言うと、帰還報告がまだだったのだ...だいたい、1日半ぐらい帰還報告がなければ死んだ人と扱われる可能性がある。

もちろん、全ての冒険者がそういう訳じゃない、クエスト受注時やある程度実力が認められてるものならしなくていい場合があるが、私の場合は基本的に近くの山で自由に探索する事が主なため、ギルド職員側がそう判断するかもしれない...

実力もあんまり認められてないし...


そんなことを考えていると冒険者ギルドに着いた、私は1呼吸置いて扉を開いて中に入る。


「あ、エンリティアさん!」


入った瞬間、何時も受付してくれる女性のギルド職員がこちらを向いて、私の名前を言ってくれた。それは嬉しいんだけど、その言葉に反応するように周りの冒険者達が反応して、私の方を向くいてきた...

シンプルに怖い....


私はゆっくりと周りの冒険者一人一人に警戒しつつ、私の名前を呼んだ受付の人のところまで向かった。


「帰還報告が遅くなってしまってすいません...」


「大丈夫ですよ...と言いたいところですが、流石に今回は心配しましたからね?」


「少し探索していたら見た事ない所みつけてしまって...それでゆっくりしていたらこんな時間に...」


私は慎重に言葉を紡いだ、古代都市の事がバレたら色々めんどくさい事になるのは確実だから、ギルド職員は嘘が分かる魔法の道具を持っているらしいので、ここで嘘をついてしまったらそれがバレて色々面倒なことに巻き込まれてしまうかも。


「なるほど...その見た事ないところにダンジョンなどは?」


「いえ、ありませんでした...」


ダンジョンと言うのはモンスターの巣窟の事で、そこには様々な種類のモンスターが無限に湧いてくるところだ。そして同時に様々なアイテムがある宝の山のようなものである。

そして、ギルドに報告しなくちゃ行けない理由が2つあって1つはそのアイテムや素材が理由もう1つは不定期にダンジョンから大量のモンスターが飛び出してくる。

これは本の知識だけれど、ダンジョンには核があるらしく。

どこにあるのかと言うと、そのダンジョンの1番奥でありその見た目は宙に浮いている赤い球体らしく、そして大きければ大きいほどダンジョンの規模が大きいらしい...

また核がどのように生まれるのかは不明である...様々なアイテムが埋まってたり、生えてたり、置いてあったりするらしいがなぜそうなっているのかも分からない。

意味不明な物らしい、まぁ...私からしたら...冒険者なら1回は行ってみたいなと思うぐらいの存在だった。


「嘘はないようですね。はい、これで帰還報告は終わりです」


「ありがとうございました、それと心配もかけてしまい....」


「いえいえお気になさらず」


「わかりました、私はもう家に戻りますね」


「はい、ゆっくりと冒険の休みを取ってくださいね」



私はありがとうございました。と礼を言って冒険者ギルドからそそくさと外に出て、アイテム屋に寄ろうかなと思ったけれど。お風呂に入っていないことに気づいて急いで家に戻りました。



家に帰ってお風呂から上がった後。私は昨日放り投げてしまった道具を片付けようとした時、起きた時使った銀色の懐中時計に目をやりました。


(そう言えば....これ私持ってなかったよね?)


私は懐中時計を再び開いてみるが壊れてる様子はなく針が動いてる。私が普段使っている時計と見比べて見ても時間は正常に刻んでいるようで、現在は2時49分を指していた。


(普通の懐中時計かな?)


私はそう思いながらも、懐中時計の横にあったボタンを押してみると微量の魔力が吸い取られ、何やら空中に水色の針が現れて私の右斜め後ろを指していた。


「この針の示す方向に何があるのかな?」


私は思考を巡らせてみて、多分この先にはまた別の都市があるのでは?という考えに思い立つが...


「今の強さじゃ、別の町に移動ができないなぁ...」


ギルドには一応、ランクというか信頼度みたいなのがあって、ランクはギルド側からこれくらいの強さと信頼を勝ち取った際に貰える懐中時計の装飾品の数で決まる。

まず冒険者に認めれた際に黄銅で作られた、内側にブーツに羽が生えている絵が掘られている懐中時計を貰える。

そこから更にギルド側から認められると、懐中時計に付けられる装飾品が貰えるのだ。

合計で装飾品は40個あるらしく、最後まで装飾品を集めると豪華な懐中時計が出来るらしいのだが...

私はまだ装飾品を3個しかつけておらず、あと一つでようやく剣の見た目になる事が出来ればようやくギルド側1人前として認められる事が出来る。


ちなみに私はこれでも早い方で私と同じ12歳で冒険者になったとしても15になる前には命を落としたり、まだ装飾品が1個だったりすることが多いい。

理由は単純でまだ単独で遠くに行かせるのは無理だったりパーティを組ませたりしないと...ギルド側が心配してたり、まだ体調管理や体力の管理が難しかったりしているからだ。

私がまだ足りないのは恐らく力だろう、先輩からも「やっぱり力がないな...」とよく模擬戦後に言われる...力と言っても筋力とかではなく、抑え込む力がないということだろう。

私は攻めるのが苦手なのだ、攻めどきが分からないと言った方がいいのかな?

先輩が言うには、危機察知や防御はいいらしいのだが、それに相手の攻撃やその対処に頭の処理を余分に使いすぎているらしく、わざとの場合はまだしも、本当に間違えた時でさえ攻めてこないのが問題らしい。

たしかに分からないかもだけど、学習されると逆に体力を少し回復されてしまったりする場合もある...そして何より持久戦になると考え事のし過ぎで防御が格段に落ちるとい所が更にダメらしく、それさえ直せれば1人前として認められそうだと受付さんに言われてしまった。


(どうしようかな...)


私がそう考えていると、今回入手したスキル「ソリキッド」を使った攻撃方法が少し思いた。


「確かにこうすれば....いけるかも!」


私は早速スキルを発動させてやれる事を色々試してみて、その結果から様々な攻撃方法を編み出したりしてみたけど....

集中のし過ぎで、落ち着いた時にはもうお腹が空いて倒れそうになってしまうのでした.....

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