妹はお姫様 僕はメイド
萬屋久兵衛
#シャル起きろ
「ただいま」
家の鍵は開いていたので、奏多は気持ち大きめな声で帰宅を告げた。
返答はない。
一階のリビングに向かい中を覗くと、ソファに妹の佳苗が寝そべっていた。佳苗は部屋着のスウェット姿でスマホをいじっている。
「……ただいま」
「……おかえり」
奏多が遠慮がちに声をかけると、佳苗はスマホから目を離さずにおざなりな返答をする。奏多は返答があったことに密かに胸を撫で下ろしつつ、手に持っていた買い物袋をキッチンのテーブルに置くと、着替えるために二階の自室へ向かった。
部屋に入り、スーツを脱ぎながら奏多は溜め息をついた。佳苗と疎遠になって何年も経つが、二人きりというのはいつも気まずい。基本定時帰りの会社員である奏多と大学生の佳苗は早い時間から家にいることが多く、両親は共働きで二人とも帰りが遅いため頻繁に起こることではあるのだが、慣れないものは慣れないのだ。
兄妹なんてそんなもの、と言われればそれまでだが、疎遠になる前は仲が良かっただけに複雑だった。まあ悪いのはおそらく自分なのだろうけど、と奏多は自嘲する。
おそらく、というかほぼ間違いなく自分の趣味が災いしていると理解しつつ、その趣味をやめることをしなかったのだから仕方ない。
奏多はスーツから部屋着に着替えると、階下に降りていく。たいてい帰るのが一番早い奏多は家族内で夕食の担当を請け負っている。帰りがけにスーパーで買ってきた品を冷蔵庫に片付け、夕食の準備をしなければ。
奏多がリビングに戻ると、佳奈がソファから立ち上がるところだった。自室に戻るらしい佳苗は、奏多とすれ違いざまに、目を合わせずに言葉を発する。
「……私、八時から配信だから」
「……わかった。七時までに作って声をかけるよ」
奏多の言葉に答えず二階に上がっていく佳苗を見送ると、自分の言葉を守るために奏多はさっそく夕食の準備にとりかかった。
佳苗は大学に通いながら、Vtuberとして配信活動を行なっている。
Vスタイルという界隈でも有名な事務所に所属しており、お姫様系Vtuberシャルロッテ・ハノーファーの名で配信をしている、ということは家族が揃った場で話を聞いた。
奏多は佳苗がその話の前から配信活動をしていたことも知らされていなかったが、今回は身バレ防止のために知らされたのだろう。もし奏多が同居していなかったら絶対に教えられなかったに違いない。
Vtuberについては奏多も配信を見ることがあるし、なんなら佳苗の所属するVスタイルに推しのライバーもいる。佳苗のライバー活動を見て応援してやりたい気持ちはあるが、普段自分と話す時とは違い明るく楽しげな様子で配信している姿を奏多は見ていられなかった。
そのため最近は配信を覗く事をせず、まとめ動画や記事をさっと確認するにとどめている。
今自分にできる支援は夕食を早く作ってやって、配信準備の時間を確保することだけだ。そんな状況に諦観を感じつつ、奏多は調理の速度を早めた。
*
「……ふう」
ディスプレイに映るリザルト画面を、奏多は満足気な様子で見つめる。佳苗と二人きりの静かな夕食を乗り切り、後片付けを終えた奏多は自室でゲームに興じていた。
本日は金曜日。明日から土日休みに突入するため、奏多は時間を気にせず配信者にも人気なカジュアル系バトルロイヤルFPSゲームのランクマッチに籠り続けることができる。
今回の対戦で一位であるチャンピオンにはなれなかったが、ランク昇格に必要な昇格ポイントを獲得できたため次のティアに昇格することが出来たのだ。
社会人であり、家事も請け負っているため平日の時間は少なく、また他のネットゲームや新作コンシューマーゲームにも浮気をしつつであったため、ここまで到達するのに結構な時間がかかってしまった。
これ以上のティアに到達するにはさらなるやり込みが必要だろうが、奏多はそこまでこのゲームに入れ込んではいないため、ここが自分の上限かなと思っていた。入れ込んでいないだけで嫌いではないので、今後もこのゲームは細く長く続けていくだろう。
「まあ、キリ良く昇格したし、今日のところはこれまでかな……」
奏多はちらりと時計を確認して顔をしかめる。時刻は零時などとっくに過ぎて夜中の三時にまでなっていた。早く寝ないと社会人にとって貴重な休日が睡眠で溶けてしまう。
「……ん?」
パソコンの電源を落としつつ、何気なくスマホでSNSを確認していると、トレンド欄の表示が目に入った。深夜にしてはけっこうなツイート数を叩き出しているそのトレンドワードは、"シャル起きろ"である。
「……」
奏多は嫌な予感を覚えつつ、そのトレンドを確認していく。
ツイートや貼られた動画を確認していくたびに顔が引きつるのを感じつつ、SNSを閉じると、震えそうな手で動画アプリを開き、佳苗――シャルロッテのライブ配信を検索して表示した。
そこに確認した通りの光景が映っていた。
画面に映っているのはサンドボックスゲームの某メジャータイトルのゲーム画面だ。Vスタイルでは会社でこのゲームのライバー専用サーバーを建てており、多くのライバーが参加して数々のドラマを産みだしている鉄板コンテンツである。
配信タイトルから察するに、シャルロッテが姫たる自分に相応しいお城を建てるという趣旨の配信であるらしい。夜八時の配信開始からひとりで頑張っていたのだろうが、進捗の程は画面から察することは出来ない。
なぜなら画面は薄く赤に染まり、中央上部にはでかでかと死亡通知が出ているので作業の様子を全く確認できないからだ。リスタートする気配がない理由は奏多も承知していたが、事情を知らずとも画面右下に表示されているシャルロッテの様子と、チャット欄で察することができただろう。
シャルロッテは片側だけの金髪縦ロールに、今は肩から上しか見えていないが、フリル付きのシャツとスカートを身にまとっており、普段は釣り目で勝気そうな容姿をしてていかにも高飛車なお嬢様然としている。が、今は目も閉じられており、首が不自然に傾いてしまっていた。
:はよ起きろ
:これは神配信
:誰か近くに住んでるライバーとかスタッフとか起こしに行けんの?
:もう二時間はこのままだし難しいんだろうな
:餓死したせいで集めてた素材が消える悲しみ
:隣で鐘とか鳴らしたら音で起きんかな?
:死亡画面で周りの音って聞こえるのかね?
:幸雄ちゃんが裏で通話してみたらしいけど駄目っぽいな
:雪緒ちゃん、な?
:雪緒ちゃんに叱られたいだけ定期
「おいおいおい……」
チャット欄の賑わいを見つつ奏多は頭を抱える。どうやら佳苗は配信中に寝落ちをやらかしたらしい。切り抜きを見るに、他のライバーから通話も入っているようだが、起きる気配は無いようだ。
奏多は迷った。周囲を騒がせながらも、現在爆睡中の佳苗は隣の部屋にいる。ド深夜の現在、佳苗を起こせるのは奏多だけだ。しかし、今のところ誰にも迷惑はかけていないし、これはこれで話題となっているため悪い状況では無い気がする。
だが―――。
奏多はもう一度SNSを開き、"シャル起きろ"のトレンドから配信の切り抜き動画を見る。動画の内容は、寝落ちしている時のシャルロッテの様子である。シャルロッテは基本的に首をすごい角度に傾けたまま動かず声を出さず爆睡しているが、時折寝言のような声を漏らしていた。
「にゅふ……。ふふっ」とか「らぁめん……」とか、意味の無いものや何故出てきたのかわからない面白い寝言だけなら笑い話ですむ。実際チャット欄は草で埋め尽くされ、切り抜きの評判も良いようだ。
だが、時折他のライバーの名や固有名詞を発することもあり、「雪緒ちゃん……。おもっ……」と、意味深な発言をされた雪緒ちゃんこと更科雪緒はチャット欄で悲鳴を上げながら言い訳をするハメになっていた。
奏多も「お兄……」と寝言を漏らす部分を見て冷や汗を流す。シャルロッテはリアル兄の存在を明かしていない。幸い、おにいという単語から兄の存在につなげる視聴者はいないようだが、個人を特定されたり、他のライバーに関する何かを漏らしてしまうのは問題だ。このままシャルロッテが目覚めるまで何事もなく終われば笑い話で済むが、事が大きくなる可能性もなくはない。
しばし逡巡した後、奏多は決断した。
寝言とは言え個人情報が漏洩すれば自分のことでも他人のことでもネットの海に拡散されてしまう。下手をすれば炎上沙汰になりかねないため、事態の対処に動くべきと判断したのである。
自分の部屋を出て佳苗の部屋の前に立つと、深呼吸をする。よし、と気合を入れて、奏多は音を立てぬように気をつけながら、そっと佳苗の部屋の扉を開けた。
奏多が佳苗の部屋に入るのは久しぶりであったが、記憶にある部屋とはけっこうな様変わりをしていた。まず、部屋の壁中に敷き詰められた黒いポリウレタンが目につく。これは音漏れを防ぐ吸音材というやつだろう。部屋の中に置く簡易防音室なんてものもあるらしいが、かなりお高いため用意はできなかったらしい。それでも隣の部屋である奏多の部屋に音が漏れることはほとんどなかったから結構しっかりした資材なのかもしれない。
佳苗は部屋の右奥にあるPCデスクに突っ伏していた。ヘッドホンを付けていて、そこからはBGMや着信音が流れているはずだが、安らかな表情をこちらに向けている。
奏多は部屋の中へ足を踏み入れた。
幸い床にはラグマットが敷かれていたため足音を立てることはほぼ無いが、それでも細心の注意を払って進んで行く。デスク近くまで進み、奏多は音を立てずに息を吐いた。後は配信をミュートにして音を消してから佳苗を起こせば問題ないだろう。音がなければ何が起きてもどうとでも誤魔化せる。
そう思って奏多が佳苗の後ろからマウスに手を伸ばそうとした時―――。
「っっ……!」
寝ぼけた佳苗が体をもぞもぞと動かしたために、佳苗が座っているゲーミングチェアが後ろにずれてきて、ローラーで奏多の足を轢いてしまう。奏多は歯を食いしばって耐えたが、小さく呻き声を漏らしてしまった。
しゃがみ込んで痛みに耐える。良い夢を見ているのか、幸せそうな表情をしている佳苗のことが恨めしかった。
……それよりも。
痛みが落ち着くと、奏多はそっと立ち上がり恐る恐るチャット欄を確認する。音を拾っていないことを期待したが、そうはいかなかったようで視聴者に気付かれていた。
:ん?なんか声がしなかった?
:誰かいる?
:姫ちんの寝言じゃね?
:姫ちんの声っぽくはなかったけど
:流石にこんな深夜に助けは来んやろ
:お、誰か来てくれたのか?
:姫ちんって実家暮らしだっけ?
:どっかでちらっとそう言ってた気がする
:実は同棲してる彼氏だったりしてw
:いやいやまさか
:んな訳ないやろ姫ちんやぞ
:お、彼氏バレか?
:これはやっちゃった感じ?
奏多は額に汗を浮かべながらも、必死で頭を働かせる。これは不味い流れだった。視聴者のひとりがふざけてなのかはたまた炎上狙いでか、誰かいるかも分かっていない声の主を男だと主張し、視聴者を煽りはじめた。
否定の声も目立つが、一部が話を広げて大袈裟にしている。このまま佳苗を起こして対応させても、騒ぎ立てて炎上させようとする者や、事実を切り取ってSNSや動画サイトで拡散させる者が続出するだろう。
奏多が兄だと名乗り出るのは論外である。こういうのは男の影を見せるだけでアウトなのだ。冷静に考えればそんなはずないようなことでも、わずかでも可能性があればあることにされてしまうのがインターネットである。Vスタイルという箱には女性しか所属していないこともあり、燃え始めればどこまで被害が広がるかわからない。
奏多が迷っている間にも、チャット欄は煽る者と否定する者で荒れつつあった。事態を完璧に収めることは難しい状況だった。
(いや……)
しかし、奏多はひとつだけ場を収める方法を思いついていた。確実に乗り切れるとは言いきれないが、勝算は低くはない。ただ、佳苗がこの手段をどう思うか。
奏多の脳裏にかつて見た佳苗の冷たい視線が思い起こされたが、それでも奏多は覚悟を決めた。やらないで炎上の種を残して迷惑をかけるよりは、やってかける迷惑の方が状況はいいはずである。
奏多はゴクリ、と生唾を飲み込んだ。声を出す準備を整えると、ゆっくりとマイクに顔を寄せた。
「愚民の皆様」
愚民とは、シャルロッテの配信の視聴者ネームだ。
視聴者―――愚民は聞こえてきたシャルロッテとは別の声に反応する。
:お?
:んん?
:だれぇ……?
:ライバーのだれかが来てくれたか?
:いや、ライバーではないな
一度言葉を切った奏多は、流れるチャット欄を確認していく。そして、愚民達の反応を見て、思惑通りことが進みそうだと判断した。
:誰だろう?女の声だ
他の愚民からも女か?という反応ばかりで奏多が男であると疑う者はほぼいない。男だ、と主張する者はいるにはいたが荒らしの類と思われて否定されていた。実際主張した者も本当に男と思っていた訳ではないだろう。
奏多は先ほどよりも自信を持って声を出す。
「愚民の皆様、並びに姫様のご同業の皆様。姫様がご心配をおかけいたしまして申し訳ございません。本日の配信はここまでとさせていただきます。姫様に代わりまして、ご視聴御礼申し上げます。ありがとうございました」
:声がハスキーでセクシー!えろい!
:姫ちんを姫様呼び。つまりメイドだな!
:まさかのメイド登場で草
:姫ちんはお姫様なんだからメイドがいて当たり前だよなあ!?
:身内の人かな?
:それにしちゃ気合入ってる。声優みたいな話し方だな
:声作りすぎじゃね?
:いや、これはこれでお仕事感あって良き
女性の声とシャルロッテを姫様と立てる口振りから、メイドが出てきたと騒ぐ愚民を尻目に奏多は配信を終了させた。自分のスマホでライブ配信を確認して、間違いなく配信が終了したのを見届けると、奏多は大きく溜め息をついた。
「なんとかなったかな……」
一応SNSを確認してみるが荒れた様子もなく、謎のメイドに界隈は大盛り上がりだった。同業のライバーは様子を見ているのか反応していないのがありがたい。奏多は疑惑不可避の状況をなんとか凌いだ。
「まさかこれに助けられるとは思わなかったな……。やっぱり芸は身を助けるのかね」
奏多はそう独りごちた後、思い出したように佳苗に視線を向けた。佳苗は一連の流れに気がつきもしないで眠りこけている。奏多は呑気なもんだと呆れたが、佳苗を起こして説明と謝罪をしなければならない。
予想される佳苗の反応に憂鬱になりながら彼女を起こしにかかる。肩をゆするとううん、とうめく様に声をあげながら佳苗が目を覚ます。薄目を開けて奏多をにらむ様にして見てくるが、単に寝起きで目が開いてないだけだ。
二人はしばらく無言で見つめ合った。
佳苗は徐々に意識が覚醒してきたのか、奏多を認識すると、机の上からがばりと顔を上げた。
「ちょっ、お兄!?」
「おはよう、佳苗」
寝顔を見られたと思ったのか、自室に無断で入ってきたことに気がついてか、顔を真っ赤にして声をあげようとする佳苗に先んじて奏多が話しかける。
「自分が何してたか覚えてるか?」
「何って……!?」
眉をひそめて記憶を辿った佳苗の顔が赤から青にさっと色を変える。慌ててPCの画面を確認する佳苗に、奏多は落ち着かせるように言う。
「配信はもう切れてるから大丈夫だよ」
「……お兄が切ったの?」
「そうだ。状況は説明するよりネットで確認してもらった方が早いだろうから、まずそっちを見てくれ。トレンドになってるから」
「う、うん」
動揺した様子を見せつつスマホを開いた佳苗の顔はすぐに引きつることになる。”シャル起きろ”のトレンドワードを見たのだろう。
そして内容を確認していき、皆のつぶやきや切り抜きを見て再び青ざめた顔が、ある動画を見て驚愕に染まった。謎の声がシャルロッテの配信を閉じる切り抜きだ。
「あ、あんた、これ!」
「すまん」
佳苗の声に、奏多は深く頭を下げる。どのような理由があれど、意図的に配信に声を入れてしまったのは事務所でも問題になるはずだ。それに、佳苗からすれば自分の行為は許されないだろうと奏多は考えていた。
だって、これで佳苗に迷惑をかけるのは二回目なのだから。奏多から言い訳することはない。
沈黙する佳苗に黙って頭を下げ続けていると、佳苗がため息をつくのが聞こえた。
「……いいわよ、別に。後はマネージャーと相談して上手く誤魔化しておくから、とりあえず出てって」
言葉に顔を上げると、佳苗が苦虫を噛み潰したような何とも言えない表情をしている。
「……本当にすまん。必要なら事務所に謝りに行くから言ってくれ」
「そんなのいいっての」
しっしと追い払うように手を振る佳苗に従って奏多は部屋を出る。
「……おやすみ」
部屋の中から聞こえた声に奏多が振り向くと、佳苗がなにやら複雑そうな顔でこちらを見ている。
「……ああ、おやすみ」
奏多は内心小さく安堵しながら、佳苗に応えて扉を閉めた。奏多は自分の部屋に戻りながら大きく息を吐いた。とりあえず最悪の事態は防げたと信じたい。
代わりに妹からの好感度はまた下がってしまったかもしれないが、それも仕方のない事だろう。今回は一応佳苗の助けにもなっているのだから、下げ幅も小さいはずだ。たぶん。
奏多は部屋に入ると、付けっぱなしだったPCや部屋の明かりを消してからベッドに倒れ込んだ。仰向けに寝転がって再度スマホでSNSを確認する。
トレンド欄には"メイド"という直球のワードが入っていた。
つぶやきを確認してみると、謎の声に対する驚きと、声の主に対する憶測で占められている。男だという内容が見当たらないことに安堵しつつ、奏多は顔が緩むのを抑えられなかった。
つぶやきの中には、奏多の発した声を称賛するものが多々あったのである。奏多は佳苗の不興を買ってしまったことに落胆しつつ、例え声だけだったとしても自分の
きっかけは高校の文化祭。クラスの出し物で女装喫茶を開いた時、奏多は店の目玉として半ば強制的に抜擢されたことだ。女子達によって化粧を施され、着飾られた奏多はやけになって、所属していた演劇部で鍛えられた演技力を存分に発揮してメイドを演じた。
そして奏多の女装は非常に評判が良く、店の売上に多大な貢献したのである。それまで低身長で童顔な事がコンプレックスだった奏多は、これに承認欲求をおおいに刺激され、のめり込んだ。
奏多の女装趣味を支援する女子達から化粧の手ほどきを受け、大学生の頃は都内の女装喫茶でアルバイト先にした。女性らしい声を出せるようにも訓練しており、それが今回功を奏した形だ。
まあ、そういう充実した趣味活の代償に、妹との関係が崩れたのだが。余計な事まで思い出しそうになった奏多は思考を打ち消すと、布団を被り本格的に眠りにつくことにした。
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