きみの作った映画 ~映写機にはエンドレスのフィルムが今も~
がんぶり
第1話 クリスマス合コン
◯映画研究会の部室
「えーと、K星女子大とT塚でクリスマス合コン(クリスマスパーティー合同コンパ)を開催します。参加不参加は、この表に記入してください」と渉外の部員が事務的に言った。
合同コンパか……
あの人も参加するのかな?
この前、K星女子大演劇研究会の公演で主役してたあの人、
ホールの舞台中央で、ひと際輝いていたあの人、
演技が上手だった、
できることなら、僕の映画に出演して欲しい、
舞台化粧で濃いメークだったけど、美人だった。髪の毛が長くて素敵な女性。
(おいおい、おまえ。ひょっとして惚れてたのか? そうか、あの時から惚れていたのか…… )
◯粉雪舞い散るT塚レストラン
ドキドキ、あの人の正面に座らなきゃ。
最初が肝心、でも、話すこと出来るか?
いきなり、僕の映画に出演してください。は、無理だろうと思う。
(K星女子大のお嬢様だぞ。そう、無理だろうよ。お嬢様かどうかは、あの人の住所を入力、今、ストリートビューで見ると…… このお屋敷、やっぱりお嬢様だな)
やったー! みんなに悟られること無く、自然な感じであの人の正面に座ることが出来た!
「1回生のメンバーで自主制作映画を作ります。今度、シナリオ読んでもらえますか? 」と僕。
「私は、2回生です。私も今、『ある女の一生』っていうのを書いているの」と彼女。
すごい、息が合う。よかった。でも、暑いなこの店。僕が熱いのか。
「シナリオ持って行きますから、来週U田の喫茶店で会ってくださいますか? 」と僕。
(よく言えたなぁ。おまえ、なかなかやるじゃん。デートの誘い。今の俺は、そんなこと滅相もないことだよ)
「はい。シナリオ読んでみたいわ」と彼女。
やったー! 幸せホルモンが全身を駆け巡る! なんか足がふわふわする。
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