恋愛?小説 ショート・短編集

千織

第1話 赤ずきんちゃん

お花畑。

赤ずきんちゃんと、ちびオオカミ。


「あげる!」


赤ずきんちゃんは、お花を摘んでオオカミに差し出す。

オオカミは、赤ずきんちゃんの匂いを嗅いで、ぷにぷにのほっぺをなめた。



♢♢♢



お花畑。

赤ずきんちゃんと、ちびオオカミ少年。


「俺、人間に姿を変えられるようになったんだ!」


赤ずきんちゃんは、少年の頭をなでる。

赤ずきんちゃんは、少年のけも耳を引っ張った。


「いたっ!やさしくして……。」


赤ずきんちゃんはキョトンとして少年を見る。

少年は、しっぽで赤ずきんちゃんのほっぺをくすぐった。

赤ずきんちゃんは、けたけた笑った。



♢♢♢



お花畑。

赤ずきんちゃんと、ちびオオカミ少年。


「花かんむり。」


赤ずきんちゃんが、少年の頭に花かんむりを乗せる。

少年のけも耳としっぽがぱたぱたする。


「ありがと!」


少年は、赤ずきんちゃんにキスをする。


「赤ずきんちゃん!大好き!」


少年は、赤ずきんちゃんに抱きついた。



♢♢♢



お花畑。

赤ずきん君と、オオカミ少年。


少年は、赤ずきん君の耳に摘んだ花を挿す。

少年は、赤ずきん君に頬擦りする。


赤ずきん君は、少年の頭をなでた。



♢♢♢



森の中。

赤いマフラーの青年と、オオカミ。


「こっちだ。」


オオカミがそう言って、二人は静かに森の奥に進む。


青年は、猟銃を構える。

人間のはらわたを食っている化け物を撃つ。


化け物が呻き声をあげる。

もう一発撃つ。

化け物は倒れた。


オオカミは近づき、化け物が死んだか確認する。


「もう、大丈夫そうだ。」


二人は家に帰る。

オオカミは、オオカミ青年になる。


「がんばったから、ほめて。」


マフラーの青年はオオカミ青年の頭をなでる。

ケモ耳としっぽが嬉しそうに動く。


「もっとほめて!」


オオカミ青年がマフラーの青年を押し倒す。

マフラーの青年は、オオカミ青年を抱きしめてキスをする。

オオカミ青年の耳としっぽがパタパタ動く。



♢♢♢



狩人の集会所。

赤いマフラーの青年と狩人仲間。


「お前……そんなにキスマークつけて……。情熱的な彼女だな。羨ましいよ。」


青年は赤いマフラーを巻き直した。

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