#10 STAMPEDE №1

うーん、頭が痛い!!一睡もしなかった(できなかった)!!だってあの本の詠唱覚えてなくて怒られたら嫌だもん!!!うーん、にしてもセリアちゃんの寝顔かわいい!!髪がふぁさっってなってんの超かわいい!!!髪撫でよっと。あー、やっぱここ天国だな。髪ふわっふわじゃんか。どんなシャンプー使ってんの?ぐへへ・・・あ、俺と同じのか。ってことはおそろい!?!?うわ、異世界ライフ最高!!!あー、セリアちゃんの唇可愛いなぁ。ふにふにしてるよ・・・キスしていいかな?


((変態行為はほどほどに・・・))


うっ、頭が・・・




よし、今日のセリアちゃんも可愛いということが分かったので、3,4階の掃除やっちゃいますかね!!今日こそはメイド長さんに褒められっぞ~♪






「リースちゃん!!!今、スタンピードが発生したって!!!早くメイド長さんに伝えて!!!」




え!?何て!?スタンピード?大型動物の群れが興奮や恐怖で突然同じ方向に走り出すあのスタンピード?いや、考えてるヒマはないな。かなり火急の用っぽいし、ダッシュや!!お、噂をすればメイド長!!




「セリアちゃんから伝言!!『スタンピード発生』だって!!」




「ええ、知っています!!今しがた奥様から聞きました!!私は地下室で防護壁の操作をするので、あなたはセリア様を連れて屋上へ!!」




「了解!!!―――セリアちゃーーーん!!!こっち来て!!!」




「分かってる!!屋上でしょ!?今行く!!」






+ + + + +






ひとまず屋上に着くことはできた。が、何なんだ、これは。高い鉄の塀が屋敷を囲ってて、その周りには大量の動物…いや、魔獣がいる。しかも全方位から魔獣の群れが来ている。しかも、種類も多種多様。これが、この世界で言う「スタンピード」なのか?




「何なの、これは。今までの規模の比じゃない。しかも、全ての魔獣が屋敷に向かっている・・・一体、何が起きているの?」




・・・今のセリアちゃんの発言から考えるに、とにかく緊急事態めっちゃやばいじょうきょうらしい。あ、メイド長さんとセリアちゃんママ来たわ。ひとまずは屋上に逃げたから安心、って感じかな。俺が徹夜して作った秘密兵器が必要なさそうで良かったとは思うがな。というか、スタンピードが何かを聞かないと、状況がよく呑み込めないや。




「メイド長さん、スタンピードって何ですか?」




「スタンピードとは魔獣の群れが一斉に人里に降りてきて人を襲うという現象ですが・・・今までにない規模ですし、しかも全方向から魔獣がこちらに向かってやってきています。防護壁がどれくらい保つかどうかですが・・・ここまで数が多いと直接倒しに行くしかないかもしれませんね。」




「・・・リースちゃん、あれ、何?」




うん?セリアちゃんの指さした先には・・・な!?ドラゴン!?!?しかもこっちに向かってきてる!?!?




「セリア様!!奥様!!!早く地下室へ!!!私はここであのドラゴンを食い止めるので、リース、セリア様と奥様の護衛を!!もう防護壁が保たないと思うので警戒してください!!!」




「はい!!!」






「2人とも早く地下室へ・・・」




・・・!!!!めっちゃデカい音が!!!鉄みたいなのが倒れた音・・・防護壁が破られたか!!!クソッ!早くしないと危険が・・・




「リースちゃん、危ない!!」




うわっ!!ウサギみたいな大きさのネズミっぽいのが飛んできた!!!あの爪・・・殺す気で来たな!?




「うぉう!!ありがとう、助かった!!」




「風神よ、我が願いに応え、敵を断ち切る刃となれ!《Wind Blade》!!!」




おおっ!!さすがセリアちゃん!!!魔獣を切り刻んでいく!!・・・でも、数が多いんだよなぁ。40匹くらいいるんじゃないか?これ。よし、最終兵器を使う時が来たようだな。出でよ!!我流魔法スクロール!!!




「任せて、セリアちゃん!!《Freeze》!!!」




んよし!!!上手く発動して敵が凍った!!!にしても作るの大変だったよ・・・特定部分を押すことで自動的に事前に詠唱したものが適用されてその後の呪文名を言うことでその呪文が発動するシステム・・・詠唱短縮みたいなもんだな。




「リースちゃん、すごい!!!どうやったの!?」




「後でね!!!今はひとまず地下室に行かないと!!」




へへっ、セリアちゃんに褒められちゃった☆






+ + + + +






「よし、もうすぐ地下室です!!!」


ようやく地下室前に着いた・・・!よし!あとはセリアちゃんとセリアちゃんママを地下室に入れて、俺がメイド長を助けに行く。足手まといになるだけかもしれないが、足手まといになりそうと思ったら離脱するからひとまず助けに行こう。にしても、ここまでやけに魔獣が少なかったな。誰かがいたのか?まあいい、まずは地下室のドアを開けて・・・














「grroooooooooooooooo!!!!!」


「shhhhhhhhhhhhhhhhhhh...!」


「naaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」














・・・なんか中にキメラ居るんですが。

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