#8 「ここで働かせてくデュ
―――次の日の朝
「ふあぁぁぁ、おはよう、リースちゃん」
セリアちゃんは朝から可愛いな。あくびが可愛い!!小動物感が凄い!!!撫でたい!!抱っこしたい!!!って、おっと。変態は控えめに、だったな。危ない危ない。にしても、セリアちゃんの顔が可愛すぎて一睡もできなかった・・・魔力があまり回復できていないかもなぁ。よし、俺の名誉のためにも早速「メイドやらせて!!」って言ってこよう!
+ + + + +
「失礼します、リースです。」
「どうぞお入り。メイド長の方から話は聞いているわ。ここで働きたいんだって?」
「はい!ここで働かせてくデュ」
・・・噛んだ。ヤバい、すごい勢いで噛んだ!!舌が痛い!死ぬ!!!ってか恥ずかしい!!!死にそう!!!ぬおああああああああああああああ!!!!!!!!
「「・・・」」
改めて言おう。噛んだままだと恥ずかしいし。
「ここで、働かせてください。」
「・・・フフッ、メイドは大変だけどいいの?」
「はい!!精一杯頑張ります!!」
「分かったわ。じゃああなたは今日からウチのメイドよ。」
「はい!!!」
・・・よかった~!!メイドになれたってことはあの件のことは心配無用なんだな!!助かったぜ!!!ってかセリアちゃんにはどう言おうかな、メイドになったこと。うーん、普通に伝えるかな。ってか、メイド長からいろいろ教わらないとな。作法とかよう分からんし。
「リース。これを着て下さい。」
うぉう、噂をすればメイド長。ってか名前呼び捨てなんだな。別にいいけど。って、これって・・・メイド服じゃん!?!?え、前世は男の俺が着て良いものなのか!?!?ヤバい、半端じゃないくらい罪悪感がわいてきた!!何でや!!!
「はい!ところで・・・どこで着替えればいいですか?」
「その場でどうぞ。」
!?!??!?!?!その場で!?!?何故!?!?もしかしてこの家ってかなり恐ろしい所なのでは!?
「え!?その場で!?」
「冗談です。更衣室があそこにあるので着替えてきてください。」
いや、ビビッた―――!!さすがにそんなにヤバくはないよな!!良かった良かった!!!にしてもさ、「冗談です」の声のトーンが「キモッ」っていう感じの軽蔑のトーンだったんだが。怖すぎんか?メイド長さん、もう少し明るく接してください。そうしないとメンタルなっちゃうぞ☆
+ + + + +
「着替えました!!」
何か思っていたよりもはるかに重くて動きにくいんだが。メイドってこんなの着て生活するの!?きつくない!?そして何より恥ずかしい!!!何でか分からないが恥ずかしい!
「ではまずセリア様にメイドになったとの報告をしてきてください。」
「はい!!」
セリアちゃん、どういう反応するかなぁ。楽しみや!!!
「セリア様。今日からここで働かせていただくリースと申します。よろしくお願いいたします。」
「え!?リースちゃんここで働くの!?うれしい!!じゃあずっと一緒なんだね!!」
うぐおぇ!!!「ずっと一緒」!?!?!破壊力が!!!マズい、意識が飛びそう!!!「ずっと一緒」ってことは結婚だな!?!?アイラブユーセリアちゃん!!!そしてその笑顔!!!国宝!!!圧倒的国宝!!!!一生見ていたい!!!幸せ!!なんて幸せなんだ!!!!最高じゃないか!!!!
「・・・リース。仕事に戻りますよ。」
あっはい。分かりました。
「あなたにはこの屋敷の3,4階の掃除をしてもらいます。掃除用具は一番右の部屋の隅に置いてあるのでそれを使ってください。今が朝の8時なので・・・何が何でも昼までには終わらせて下さい。その後は私が護衛に役立つ魔法を教えます。」
え、この体育館x10みたいな広さのところを2階、それも4時間以内?つまり1階にかける時間は2時間ってことは一部屋当たり10分以内・・・廊下も含めると・・・あ、水回りはもっと時間かかるじゃん。え、考えてる暇なんてないよな、これ。もしかして俺、またもやとんだブラック企業に入ってしまったか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます