転生魔術師は眠りたい

みっくす

プロローグ


――――眠い。




そんなことを考えていながら会社からの帰り道を(周りが引くほどの千鳥足で)歩く。


かれこれ12年もサラリーマンとして働いているが、3徹は流石にキツい。この会社に入って、最初こそやりがいを感じていたものの今は何も感じなくなって・・・あっ、あのクソ上司に対する嫌悪感はいくらでも感じるわ。うっわ、あのクソ上司のこと考えてたら気分が悪くなってきた。まあ、9割くらいはヤケ酒のせいだと思うけど。あんのクソ上司、普通は1週間かかる仕事を3日で終わらせろって言ってくるしさ・・・フザケンナ!!!この、ハゲェーーーーーーッッッ!!!!じゃあお前が3日でやってみろよ!!なんなんだよあの俺が作った資料の量!!!・・・資料が山のようだ!!


あの量を3日で完璧に仕上げた俺を褒めてやりたいよ!!!


ちなみに、3徹して頑張って作った資料は却下された。・・・資料がゴミのようだ!!




「はぁ・・・眠くて死にそう・・・」




3徹して仕事を終わらせるという何ともブラックな働きぶりを評価してくれる人なんていないのは分かっている。だからといって会社を辞めるわけにもいかない。辞めたとしたら多分金がなくて3日で死ぬ。でも、辞めなければ遅かれ早かれ過労死するのも分かっている。




・・・酒が無いとやってらんないぜ!!酒を飲んでる間だけは最強だからな!!!今日も一升瓶3本開けちまったぜ!!!・・・・うん、肝臓が悲鳴を上げている!!!明日は二日酔い確定だ!!それどころか明後日も二日酔い延長戦かもしれないぜ!!フハハハハハハハハハハハハハ!!!!!酒、万歳!!俺の味方はアルコールだけだ!!うん、やっぱり、酒、最高ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!




―――いつまでこんな生活を続けるんだろう。いつもと同じ酒。いつもと同じ服。いつもと同じ仕事量。いつもと同じ帰り道。いつもと同じ空・・・え?何か光ってる物が落ちてきt・・・














「うぼぅぇん」












―――そうして俺は、死んだ。

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