乙女ゲームのヒロインとして転生した元おばちゃんは平穏な人生を歩みます

白雪の雫

第1話







 転生って漫画や小説でしか起こらない現象だと思っていたのですけれど、本当にあるのですね。


「野郎共!今日の女達は皇帝に売る商品だから傷一つ付けるんじゃねぇぞ!!」


 海賊の頭っぽい男の言葉で、前世の自分が平凡なおばちゃんだった事を思い出しましたの。


 どうせ生まれ変わるならヒロインではなく、攻略対象者とは一切関わりのないモブキャラの方が良かったわよ!!


 そう思ってしまうのも当然ですわよね!?


 ・・・・・・そういえば自己紹介がまだでしたわね。


 私はタウラス王国が第一王女、ディアーヌと申します。


 プラチナブロンド色の髪にグラビアアイドルのような身体つきをしている現世の私ですが、前世はそれなりにBLや乙女ゲームにレトロゲームを楽しんでいた・・・まぁ、どこにでもいる会社勤めのおばちゃんでした。


 現実リアルの男よりも二次元の男(立派な雄っぱいを持っているマッチョ)が好きな若い頃の私は恋人を作る事なく夏と冬のビッグイベントを楽しんでいましたの。


 ある程度の年齢になると夏と冬のビッグイベントには行かなくなりましたけど、マッチョ攻め・受けの妄想だけはしていましたけどね。


 前世の私は婚活をしていなかったので、おひとり様という奴でした。


 そんな私がよりによって【百花乱舞~愛憎と欲望の花園~】のヒロインとして生まれ変わるとは──・・・


 悪夢です!


 腐女子でレトロゲームを愛する喪女であった私にしてみれば悪夢でしかありませんわ!!


 ・・・・・・私の愚痴よりもまずは【百花乱舞~愛憎と欲望の花園~】の物語を説明いたしますわね。


 物語はヒロインであるディアーヌが海賊に攫われ大国ジェミニー帝国の後宮に売られるところから始まるのですけれど・・・・・・一国の王女には護衛の騎士か兵士が傍に控えているのではありませんこと?


 このゲームを初めてプレイした時は心の中で思わずツッコんでしまいましたけれど、ヒロインが攫われないと物語が始まらないのですからツッコミを入れるのは野暮というものなのでしょう。


 ジェミニー帝国の後宮に入る事になったディアーヌですけれど、ヒロインには三つの選択肢がありますの。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る