駆動少女編エピローグ 居候従業員、紫髪っ娘
「起きてくださいリリィ、もう朝です。」
うぅん…もうちょっと寝させて…
「了解しました。リリィの始業時間を確認。
始業時間が迫っています。よって実力を行使するための認証を待ちます。」
実力行使…?やれるものならどうぞご勝手に…
「認証を確認しました。実力を行使します。」
その言葉を最後に天地がひっくり返った。
天がひっくり返ったら天使も地上に落ちてくるのかな?…じゃなーい!!
ベッドから落ちてひっくり返っている僕の顔を
少女が覗き込む。
「おはようございます、リリィ。
始業時間が迫っていますので準備をしてください。」
デジャブだ…
こんなこと前にもあったよな…
マギアな暴走が収まった後、
僕とマギアの二人でおかみさんと親父さんにきちんと頼んだ。
これからもここにいさせてほしいと。
驚いたのはマギアまでが頭を下げたこと。
以前、居候を許してもらった時は僕の横でボーっとしていたから…
今回もてっきりそのままかと思ってたけど
そうはいかなかった。
「私のようなものでよければどんなことでもいたします。
なのでどうかここにいさせていただけませんか?」
マギアは頭を下げたまま動かない。
「僕からもお願いします。」
マギアの居場所がなくなってほしくない。
それ以上に彼女と過ごした数日間はとても楽しかった。
僕もこの日々を手放したくない。
「…」
おかみさんはうんともすんとも言わない。
もしかしてマギアについてルーナ様から聞いた?
彼女が
僕にはおかみさんの心のうちは分からない。
頭を下げてどれくらい時間が経ったのだろう。
ついにおかみさんが口を開く。
「ここにいたいって…これからも…ねぇ。
こっちからお願いしようと思ってたんだけど。
先手を取られちまったねぇ。」
…ん?
おかみさんの方から?お願いしようと思ってた?
「それはどういう…」
「前、あの子が仕分けした時があったろ?
仕分けられた手紙を見て、あたしはビビッと来たのさ。
この店にはこの子が必要だってね。」
ということは…
マギアが顔を上げる。
何が起きたか分からないとでも言いたげな顔。
「私は、ここに、いていいんですか…」
「二度は言わないよ。
ここに居候するのなら仕事はしっかりすること。
サボりは許さんよ。」
よかtt…ってうわっ!!
「よかったです。本当によかった。
生きていてよかった。
この命があって本当に良かった。
リリィと出会えてよかった。
これからも一緒にいることができる。それだけで私は嬉しい。」
大粒の涙がマギアの頬を流れ、きらめく。
これまでに見た中で最高の笑顔で彼女は笑っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます