第24話 セス二オル
「はあ! 行くよ」
今度は私が風剣を持って向かっていく。それに対してセス二オルは雷を剣にまとった。相性だけで言えば日本のゲームでは雷は風に強かったはず……まあうろ覚えだけど。でも負けるわけには行かない。何で負けられないか? なんとなくよ。
そう、プライドの問題。
そして早速剣がぶつかり合う。私もここ数年で剣の腕はだいぶ上げたはずだ。てかぶっちゃけ魔力ためてるから魔法勝負にしてもいいんだけどね、そしたらこいつ対抗できないだろうし。爺だし。
だが、相手の得意分野で戦うのが私流のやり方だ。まあ、最後まで剣で戦うのかは、状況によりけりだけど。
そして何回も剣でぶつかり合う。引いてくれるつもりはないようだ。私としてはそろそろ終わらせたいんだけどね。互角の勝負と見せかけて魔法を放つほうがなんかいい感じするし、悪役感あるし、いいか。
そしてもう一度剣がぶつかり合う。
……そろそろかな。そろそろこの爺にも絶望させてあげたいしね。
「ふん。やりおるわい。流石は異世界人じゃ」
「まあね、でもやるじゃない、その異世界人にここまで渡り合えるなんて」
まあ私の魔法でやられると思うけどね。さて、本気を出しますか。
「さて、いでよドラゴン! 私に力を与えて!」
そう言いドラゴンのオーラを私にまとわせる。私が新たに会得した魔法だ。ドラゴンの力を自分にまとう。そしたらどうなる? 私が最強になるのだ。
「あなたには私の全力を地獄への手土産とします。どうか存分に味わってください! ドラゴニックファイヤー」
私は手から青い炎を出す。さて避けられるかな。
「ふん! いかずちよ迎え打て」
そして相殺される。
フーンそうするんだ。
「なら三色のブレスよ!」
もちろん炎水雷だ。三色といえばその三色だ。
「いかずちよもう一回だ!」
そんなもので対抗できるかな?
「ぐあああああああ」
当然対抗できなく、私の魔法が爺の魔法をうち破ったようだ。
だが、そこには彼はいなかった。
「なんで?」
「こっちじゃ」
そして私の腹を爺の剣が突き刺す。
「フーンやるじゃん。でも私が不死身なことを忘れたのかな?」
そして私は自分の体をわざと爆発させる。これもドラゴンの力だ。
「ぐわあ」
セス二オルは後ろに吹き飛んだ。
「へえ、今のも耐えるんだー。爺のくせにやるねえ」
私だっていたいのにさ、この攻撃。
「でも不死身の私を抑える手はないよね」
そしてセス二オルの攻撃を剣で受ける。だが、明らかにセス二オルの体力がなくなってきているように見える。
「爺なのに無茶するからだよ。こんな終わる運命の国のために頑張る必要なんてないのに。さて、死んでくれない?」
剣を手放して、セス二オルの剣を受け、そしてその瞬間雷でセス二オルの体を包む。そして、空に打ち上げた。
「さて、これで君は身動きが取れないよね? さあ死んで?」
「そう簡単に行くと思うなあ」
そしてセス二オルは体からエネルギーを放出して、球を恥じ蹴飛ばした。
「……すご!!」
拍手をする。
「あの時に殺しとくべきだった。お前はああ」
「ええ私も同じことを言うわ。あの時世間体を気にしないであなたも殺すべきだった。だから今殺す」
全力で炎の球を作る。
「あなたはこれで終わって!!! フレイムバアアアアストオオオ」
そして炎の球がセス二オルに向かう。それに対抗してセス二オルも水の激流を生み出すが、時すでに遅し、炎に焼かれてセス二オルはついにその命を落とした。
「さてと、王様。もうあなたを守るものはいません。大人しく投降してください」
「……誰がするか」
「ならこの炎を目の前にしてもですか?」
炎を生み出し、目の前に見せつける。
「断る」
「じゃあ死ね」
「っく!」
王様は目をつぶる。これで死んだと思ったはずだ。まあ私は投げてないんだけどね。これで王様の悲痛な顔も見れたしいいかな。
「皆のもの! こいつを地下牢に入れろ。今、この瞬間この国は私のものになった!」
魔族たちは騒ぎ立てる。
「これよりこの国は我が国の直轄領となる。まずは法律を決めるぞ。まずさっきの王様だが、手足拘束で無期懲役。私に逆らったものも手足拘束の末無期懲役とする。さらに奴隷制を開始する。毎年の税が支払えないものは直ちに体で支払ってもらう。男なら労働、女なら召使としてだ。さらにもう一つ! 毎月一人抽選で決めて公開処刑をする。お金持ちから奴隷まですべての人を。拒否権はない。詳しい法律はのちに決めるがとりあえずはこんな感じだ。わかったな!」
まあ最後の公開処刑のやつは私の趣味だし、奴隷制も私の趣味なのだが、まあばれなかったらいいだろう。どこぞの愚王みたいにお金の使い過ぎで破産するつもりはないし。
「さてと、私はこの国にもう少し滞在するわ。他のみんなは先に国に帰ってて」
「わかりました。それと公開処刑の件ですが……」
もしかして私の趣味なのばれちゃった?
「私たちが人間に恨みがあるからああいったんですよね」
「もちろんそうよ」
なわけあるか! 完全私の趣味だ。もしその意図があれば、国民皆奴隷にするわ。あっでも……
「ちなみに奴隷は売るつもりだからあなたたちが買って恨みを果たすのもいいわよ」
「ありがとうございます!」
「さてとそろそろ帰りなさい。軍の主力がいない今侵攻されるかもしれないから」
「そうですね! ではまた」
そしてほかの魔族の半分は国に帰っていった。
さてこれからが楽しみだ。
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