第32話 諦念

先日、正直営業さんが得意先と合同でクレーム対応をしたが経営者に怒鳴られていた。

気遣いが裏目に出て、責任がこちらに来てしまったらしい。


彼は問題が大きくならない様に配慮して対応していたのだが色々な面で不器用だ。

不用意な発言から、対応の費用負担が此方の負担になってしまった。

(本来クレーム内容からして折半のはず。とはいえ銅貨6枚程度で怒鳴り散らす程ではない。)


それ以来「口は災いの元」と彼は前より無口になり、また諦念を得たのか周りに反応しなくなった。

以前は雑談に多少なりとも乗っていたのが、完全に無視し黙ってパソコン作業をしている。


環境に適応しつつある彼は正しい。

ただ、そう残念だ……。


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