土管工の気持ち

 むかしむかし、とある海辺の村に、浦島太郎という青年がおりました。釣りをしに、いつものように海辺へ行くと、亀の甲羅でなにやらはしゃいでいるガキンチョ共がいました。


「おい、この甲羅を連続で踏んだら1UPできるらしいぜ!」

「えー、ほんとかよ!」


 何か意味の分からないことを言っていますが、亀をいじめているのに間違いはありません。浦島はいじめを止めようと、ガキンチョ共のもとに向かいました。


「おい、いじめはあかん──」

「あ、ミスった!」


 なんと、亀の甲羅を踏むチャレンジをしていたガキンチョが、ミスって浦島の方に

甲羅を蹴ってしまいました。物理法則などを無視したかのように、するするとこちらへ向かってきます。


「おいおいおい、やばいやばい!」


 浦島、油断しておりました。本来ならジャンプで避けるべき所、彼は運動神経が壊死していたため、ぴくりとも動けず、結局亀の甲羅はスネにぶち当たりました。


「マンマミーヤ!」


 デデッデデデデデンという音楽と共に、浦島は一機を失ったそうであります。


 めでたしめでたし。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る