08・キャプテン翼の必殺技を真に受けてしまったサッカー少年たちへ

 さて、筆者はキャプテン翼のファンである。

 今でも最新話を追えているかと問われれば、決してそうではないのだが、とりあえず日向と葵の決着はみているし、オリンピック編も途中までぽろぽろと読んでいる。


 小さい頃、私はサッカーをキャプテン翼の影響で始めた。

 でも、私がサッカー少年団に入る頃には連載が終わっていた。



 私がサッカーをやっていた頃は完全に土のグラウンドだった。

 でも私はキャプテン翼で育っていたので、フツーに土のグラウンドでもスライディングタックルをしていた。

 1試合が終わる頃には、太ももが真っ赤に染まり、流血していた。

 ディフェンスだったのもあるが、「キャプテン翼ではやっているじゃないか!」というのが、私の理論だった。



 もうひとつ。

 キャプテン翼では、『必殺技』がある。

 そして、腕が捻じ曲がるほどに捻り上げてシュートが打たれる。

 これにも私は影響を受けた。


 どういうことかと詳細を述べれば、

『ドリブルはフェイントを使わず、ディフェンスをフィジカルで圧倒する』

『ディフェンダーや、ゴールキーパーを吹っ飛ばすほどのシュートを打てば良い』

『シュートはコースを狙うのではなく、キーパーを吹っ飛ばすもの』

 と大真面目に思っていた。


 それが、小学生レベルでは通用してしまうのだから、いろいろおかしい。


 ディフェンスから、オフェンシブハーフにコンバートされた私は、スピードとパワーに任せた『ごういんなドリブル』から、ゴールキーパーを吹き飛ばすかのような必殺シュート『モンキーショット(ガッツ180消費)』でゴールを量産して、県トレセンまでは行くようになった。



 で、トレセンに行くと、そんなやつはひとりもいなかった……



 私はキャプテン翼仕込みのフィジカルに任せたサッカーをやっていたけれども、県トレセンに行くと、リフティングが『4000回』とか『日が暮れるまで』とかいう奴がゴロゴロいたし、ゴールキーパーのキックをそのままヒールキックで自分の前方に落としてドリブルを始める奴とかがいた。


 で、Jリーグが始まり、私はラモス瑠偉さんのパスに衝撃を受けて、ドリブラーからパサーになろうとするのだが、まーたディフェンスに再コンバートされてしまうのだった。

 基本を疎かにして、フィジカル任せだった私は、その後身体の成長が伸び悩み、ただの凡百のプレーヤーとなってしまった。




 何が言いたいかというと、漫画とかアニメはその競技人口を増やすのには貢献するが、現実に漫画のプレーを参考にする奴はアホだということだ。

 実際行った本人が言うのだから間違いない。


 私が今、幼かったら。

 ブルーロックに影響を受けて、ありえないプレーを練習していたかもしれない。


 

 現実で世界最速のシュートがロベルト・カルロスの160km/hくらいなのに、日向くんのタイガーショットは2200km/hらしいよ。

 コンクリート突き破っちゃうし……

 秒速611mだよ!?

 6分の1秒で、サッカーコートの端から端まで行っちゃうんだよ???


 でも、『そうなりたい』と思うのは凄くわかるし、個人の勝手なので、止めません。

 フィクションと現実の区別はきっちり付けましょう。

 頑張って折り合いをつけて、世界一のスポーツ選手を目指してください!!!




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石崎くんは、その時速2200km/hのシュートをなんでも顔面ブロックしちゃうのがすごいよね!

ガッツ400消費しちゃうけど、場合によっては1試合3回止めちゃうもんね!

実際、この前のテレビアニメの放送回では、タイガーショットより凄いファイヤーショット喰らって死んでたもんね!


そしてそれをワンハンドキャッチしちゃうミューラーとか若林って化け物だよね!

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