10・ネイマール

 ブラジル代表の10番、エース・ネイマール。

 彼の後世の評価はどうなるのでしょうか?




 ネイマールは、ローティーンの頃から有名でした。

 レアル・マドリーが唾を付けようとしましたが、当時所属していたサントスがそれを拒否。

 ネイマール自身も『海外へ行くには準備ができていなかった』と語っています。


 サントスでコパ・リベルタドーレスを制覇したあとに、クラブ・ワールドカップでバルセロナに0-4で撃破されてしまいます。

 バルセロナを、そしてメッシを崇拝するようになった彼は、よりレベルの高いサッカーを求めてそのバルセロナに移籍します。

 メッシ・スアレス・ネイマールのトリオはMSNと呼ばれ、世界を席巻します。


 ここで、バルセロナに異変が生じます。

 パスワークを中心に、相手をかき乱していくのが、バルセロナのプレースタイルでした。

 MSNのトリオが強力であり過ぎるため、パス回しが要らなくなってしまうのです。

 現・神戸のアンドレス・イニエスタの存在感が減っていき、バルセロナはその意義をだんだん見失っていきます。


『いくら活躍しても、メッシの日陰』

 そう思ったネイマールは、パリ・サンジェルマンへと移籍します。

 そこで、チャンピオンズリーグを制覇し、バロンドールを獲得するという青写真を描いていたと思います。

 ですが、フランスリーグと、チャンピオンズリーグとでは対戦するチームの実力差に差がありすぎます。

 オーストラリア代表が、オセアニア予選が温過ぎ、その後プレーオフで対戦する相手との差があり過ぎてアジアへと移籍しました。

 そういうことがクラブチームで起こったのです。


 そして、パリは新たな王様、キリアン・エンバペと契約を結びます。

 両雄成り立たず。

 それはそうです。ふたりとも王様のような待遇を保証されているのですから。




 ネイマールは、ブラジル代表での通算ゴール数が、ペレを抜いて1位になりそうです。

 ですが、それは空砲とでも言い換えられるかもしれません。

 

 ロナウジーニョが背中でトラップすれば、拍手が起きます。

 ネイマールがすれば、怒号と罵声が起きます。

 ファウルを受けては転がり続けます。

 ネイマールがファウルを受けて『本当に痛い!』と感じたときは見分けるのは簡単です。彼は転がらず、動けません。


 彼は周りに対する敬意があまりないようです。

 悪いことのように言われますが、良いことでもあります。

『自分がナンバーワンだ!』と思う過剰とも言える自信は自分を磨き、プレーを更に高きに導くことがあります。




 今のところ、ネイマールはテクニックはあるけれども……という評価です。

 今回のワールドカップでブラジル代表を獅子奮迅の働きで優勝に導けば、ペレを越えるであろうゴール数も華やぐに違いありません。




追加

ネイマールは『ブラジルのトランプ』と言われる極右の政治家の熱狂的支持者であるそうです。

そのため、ブラジル人の半数近くから嫌われています。

怪我をしても、ブラジル人から『いい気味だ』『もっと大きな怪我をすれば良かったのに』などと思われているそうです。

国民的英雄にはなれそうもありません。

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