クソ煽り中マナー違反ドラゴンをぶち殺すために冥界に逝く転生者くんのお話。
南瓜の王冠
第1話 純然たる殺意
ミスティライト王国その王都にて一対の雄が相対していた。
方や蒼く透き通るような薄く輝く水晶の様な剣を持った白金に輝く鎧を着た金髪の好青年―勇者
方や城に匹敵する巨体に黒黒と輝く竜鱗柱のような巨大な牙すべてを引き裂くような爪を有する邪悪なる最強種
―竜王
――――――
―――
――――――
―――
赤々とした炎に燃える王都にて史上最大になるであろう戦いに決着がつこうとしていた。
肩に息をしながらも二本足で立つ勇者と膨大な血を流し地にその巨体を沈めながらも死に体で嗤い続ける竜王―
死に至るまで終いぞ嗤いを止めなかった竜王が静かになって、多大な被害を出しながらも終に人類の存亡をかけた戦いは終わったのだった。
―――――――
―――
―――――――
―――
時間は少し遡る。
王都のスラムの地下の下水道に倒れる5歳頃であろう子供
―転生者
天井が崩落した下水道で瓦礫が当たらなかったのは寧ろ不幸だったのだろう、何せ当たっていたら十中八九死ねていたのだが。
何故彼が倒れていたのかは見ていれば分かるだろう―血だ、崩落した天井から流れ続ける竜王の血が彼の身体を犯していた。
高位の魔物の血には膨大な瘴気と呪いが宿る、ましては竜―それも死んで直ぐの血となれば名高い英雄でも耐えれずに死んでいただろう。
なら何で彼がまだ生きているのか?
―人類には『ギフト』と呼ばれる力がある。その名の通り生まれながらに有している祝福。
彼のギフトは『他力本願』良くも悪くも他者の力を受け容れやすいというものだった。
竜の血となれば強大な力も有する、その為死に瀕しては再生すると言う地獄に陥っていた。
地獄の様な痛みから逃れるにはどうすれば良いのだろうか?
―他の何かに意識を向け続ければ良いのだ、最も対処療法でしかないのだが。
そして意識を向けると聞こえるのだ―嗤い声が。
彼は地獄に耐えるためにその意識を怒りに集中した『あの野郎俺を煽りやがった…!!許せねぇ…許せねぇヨ!!煽りイカや死体撃ち寄り許せねぇヨ!』とは言えかの竜はすでに死んでいる殺す方法など有りはしない―事もなかった。
一部のダンジョンは冥界につながると言う。
ならばダンジョンを攻略してヤツをぶっ殺しに冥界に逝くのだと
ー尚当たり前だがかの竜は彼に気づいてもいないし気にしてもいない紛うことなき八つ当たりであった。
クソ煽り中マナー違反ドラゴンをぶち殺すために冥界に逝く転生者くんのお話。 南瓜の王冠 @pumpkinthecrown
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。クソ煽り中マナー違反ドラゴンをぶち殺すために冥界に逝く転生者くんのお話。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます