もし俺が君を忘れると言うのなら
緑 よいち
プロローグ
俺に恋愛は要らない。なぜなら、恋愛とは一時の幸福でしかないからだ。
高校生同士の恋愛なんて、どうせ長続きしない。そのときだけ本気だと思っているが、すぐに別れ、どうせ十年後にはそれを笑い話として披露するのだろう。
俺はそんな恋愛なんてしたくない。だから、高校生のうちに恋愛をするだなんて、そんなことはできない。
小学生くらいの僕なら、そうは思わなかっただろう。容姿を見ただけで可愛い、好きだと勘違いし、そして告白して見事に爆散。その後は気まずくて話せなくなった。
中学生ともなると、周りに付き合っている人が多くなった。でも、みんなすぐに別れた。少しでも不満があればすぐに別れて、また彼女を作りたいだのなんだの言いながら恋愛をする。それは「青春」と呼ばれている。
なにが青春だ。どこが恋愛だ。
そもそも「恋」という字は、下に心、上に
これを嫉妬だというのなら、勝手にそう言っておけばいい。少なくとも、俺は恋愛なんてする気がない。というか、できないだろう。
なぜなら、俺の寿命はあと一年しかないのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます