第56話 文化祭 前日

 宮村は、文化祭の出し物のことで放課後を残ったりしているので、放課後に一緒に帰ることはない。俺はというと、怖い人形を集めるだけなので、放課後まで居残りをして準備することない。


 だけど、怖い人形を買うか作るか。買うとしたら、一人500円以内にしないといけない。作るのはめんどくさいので、リサイクルショップに行って購入してきた。なぜか、100円で顔にお札が貼ってあったが、気にせず購入した。

 なぜか、店員に『本当に買うんですか?』って、2回ほど聞かれたがあれはなんだったんだろうか?


 文化祭前日には、机や椅子が人形の置き場になったりとしている。俺の買って来て置いた人形は何故か昨日よりか髪の毛が伸びているような気がする。クラスのみんなもそんな噂を聞くのだが多分、気のせいだろう。


「先輩、文化祭はぼっちで一人寂しく過ごすんですか〜」


 放課後、宮村は文化祭の準備なので居残りをしていたが、文化祭前日には全部終わったから久しぶりに宮村と一緒に帰ることになった。


「まあな〜」

「否定しないんですか?」

「まあ、お前はメイド服着て教室にいる感じで、忙しいだろ?」

「ああ、先輩と違って人気者で、忙しいですからね。」

「小林は、文化祭を休むらしいしからな〜実質ぼっちだからな。」


 

 本心のことを行った。文化祭を休めるなら、休みたい。だか、休めない。それに、俺はそれほど友達が多くない。宮村は文化祭で忙しいそれに、小林が休むと俺は一人で文化祭を楽しまなければならない。だから、文化祭はぼっちで過ごす。

 無理矢理、ぼっちを否定したとしても虚しくなるだけ。だから、俺は本当のことを言った。



「じゃあ、僕のクラスのとこ来てくださいよ〜サービスしますよ〜」

「いいよ。俺は、一人寂しく空き教室でスマホいじっておくよ。宮村のメイド服には興味があるからナインで写真送ってくれ〜」

「はぁあ〜そんな先輩には絶対に写真は送りません!!頑張って僕のクラスに遊びに来てくださいよ!!」

「無理だな。俺は、女性ばかりの場所に一人で行くのは無理だから」


 

 そういうと、宮村は頬を膨らませて怒っている。



「そう怒るなよ。」

「怒ってません!!」


 

 そう言っているが、口調が強くなり怒っている。まあ、怒る理由もわかる。だけど、俺は一人で女性の多い場所に行くのが苦手なんだよ。 

 そこは、わかってくれ宮村。


 っと、そう思いながら宮村のご機嫌をとれるようなことを今から考えはじめた。

 

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