第52話 メス
「ねえ、最近王子様の様子おかしくない?」
「あ、わかる。雄二先輩と付き合ってからでしょ。」
廊下を歩いていると、宮村のとよく話している女性の友達たちがコソコソと言っていた。なんだろうと、聞き耳を立てていた。
「なんか、メスっぽさが増した?」
「うん。メスっぽさが増したせいで、王子様感が薄れてきたような気がする。」
「もしかして、先輩ともう犯ったのかしら?」
いや、やってない!!心の中で、突っ込んだ。しかし、宮村がメスっぽくなったのは事実だと思う。最近、私服でスカート率が高くなってたりしているし。
やはり、宮村は男っぽい王子様系キャラじゃないといけないのだろうか....もし、それで、宮村の株が下がっているのであれば、少し宮村との距離を置いたほうがいいのかもしれない。
「でもさあ。メス堕ちさせられた王子様とか逆にいいよね。」
「わかる〜自分はまだ王子様系ですよって思いつつも、メス感がでる。つい、意識せずに出るメス感。あれは、あれで。ごちそうさまです。」
???
何を言っているんだこいつら。と思った。
「メス王子。」
「いいね。」
「だけど、本人は気づいてないから内緒ね。」
「うん。自分は王子様かっこいいんだっと思っている。宮村くん可愛いすぎてキュン死するよ。」
「うんうん。」
「これから、もっと、先輩さんと親密な関係になってもらわないといけないな。」
「親密な関係?」
「そう、王子様をどんどんメス化させていくのよ!!そして、完成する。完全にメス堕ちした王子様が!!」
俺に何を求めているんだよ。俺にそんなことを求められたところでむりだろ。確かに、メス堕ち宮村は確かに可愛いが。可愛いが、そんな宮村の個性を消してしまったらダメだろ。
残しておいてこその、利点だろ。
あれ、何をいっているんだ?
「さ、さすが。まあ、最近はメスを出しているって感じているんじゃないかな?」
「え?うそだ〜絶対自覚あるよ。」
「じゃあ、聞いてみる?」
二人組の宮村の友達は、宮村のいる方に向かっていった。
「王子様〜」
「なんだい?」
「王子様って〜好きな人いるでしょ〜っていうか、付き合っている人いるでしょ〜」
宮村に直球で聞きにいっていた。
「ど、どうか....な」
顔を赤らめ、目を逸らしていった。
「え〜うそだ〜」
「可愛い。」
「ちょ、ちょ〜っと来てもらっていいかな〜」
二人は、宮村に連れ出され、どこかの空き教室に連れて行かれた。 まあ〜昼休みだ。残り、20分以内には解放されるだろう。俺は、そう思いながら自分の教室に入っていった。
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