第13話 お子様ランチ

 宮村と、廊下でばったりと会った。


「あ、先輩。昨日はありがとうございました。」

「お礼を言われるほどでもないよ。」

「いえ、今日何か奢らせてくださいよ。」

「まあ、奢りならいいけど。何を奢ってくれるんだ。」

「お子様ランチ。」

「あ?喧嘩売っとんか!?」

「冗談ですよ〜顔怖いですよ〜」


 廊下であったばかりに、宮村にからかわれてしまった。だが、何かを奢ってくれるというのは本当で、放課後にファミレスに行くことになった。


「え〜私も奢られ...いや、宮村くんに貢ぎたい。」

「わ、私も。」

「気持ちだけで、嬉しいよお姫様。」


ーーーこいつ、貢がれ体質なのか?ホストとか向いてそうだな。


 女性たちに、貢ぎたいと言われている宮村を見ながらそう思った。


ーーー それより、ファミレスで何を食べようか、後輩の奢りだから〜なるべく安く腹に溜まる料理にでもするか


 俺は、早速スマホで今日行くファミレスのメニューをスマホで検索しながら放課後になるまで5時間近くあるのだが早くから調べていた。


***放課後ーファミレス***


 放課後になり、一旦家に帰ってからファミレスに向かうことにした。17時に夜ご飯とかは早いから私服に着替えたりして時間を潰し、18時にファミレスに向かった。


 妹のしずくには『宮村に奢られるから晩御飯無しで』っとお母さんに伝えといてと言っておいた。


「あ、先輩。」

「おう、奢られにきたぞ。」


 ファミレスに少し早めに向かうと、ズボンを履いた宮村が早くから来て、俺を見つけると手を振っている。


 合流すると、俺たちは早速ファミレスに入った。



「あ。すいません。え〜ハンバーグステーキとお子様ランチください」

「ご注文繰り返します。ハンバーグステーキとお子様ランチですね」

「はい」


店員が注文の確認をした。


しかし、このお店のお子様ランチが注文できるのは中学1年生までって、メニュー表に書いてあるのだが?


ここに中学1年生とかいないんだけど?


「先輩は、中学生にも見えるのでお子様ランチを注文しておきました。」

「余計なことを。俺はステーキが食べたかったんだけど。」

「いいじゃないですか。じゃあ、私のハンバーグステーキと交換します。」

「当然」

「じゃあ、お子様ランチ選べるニャン猫っていうキャラクター選んでください。」

「猫ニャン?」

「先輩知らないんですか?ここのお子様ランチを頼むと『><』っていう顔をした可愛い獣人ちゃんなんですよ。」


ニャン猫について詳しく熱弁を聞かされた。


「はい、お子様ランチとハンバーグステーキです。弟くんはどれを選ぶ?」

「じゃあ、これで」


店員の人に、ニャン猫シリーズなのかニャン猫色違いが入ったかごを見せられた。


俺は、適当にピンク色のニャン猫を取ろうとすると宮村は首を振っていたので、茶色のニャン猫を取ろうとすると頷いていた。


「じゃあ、これで」

「はい。」


かごから、ニャン猫を取ると店員はどこかに行った。


メニュー表をもう一度見てみると、ニャン猫キャンペーンが今日までだった。


もしかすると、宮村...ニャン猫が好きだけど、お子様ランチを頼むことが出来ない。妹を助けて貰った口実を使って俺をファミレスまで連れてきたのではないか?


「なあ、宮村。このニャン猫の為に俺を呼んだんだろ。」

「は、はい...良いじゃないですか。ニャン猫可愛いですし。僕だって...可愛いの好きなんですよ。」


 っと、顔を赤らめて言った。


「俺より中学生いや、小学生に見える妹がいるじゃないか。」」

「こおゆうのは、先輩にしか頼めないんです。確かに妹に頼むこともできたけど、僕のキャラクター的には恥ずかしくて頼めないんです。それに、妹に頼むからかわれるし....だから、先輩ときたんです。さ、お子様ランチと私のハンバーグステーキを交換しましょ。」


俺の目の前にあるお子様ランチと宮村のハンバーグステーキを交換し早速食べることにした。


「ふう、かなりお腹いっぱいだ。」

「久しぶりに僕もお子様ランチ食べましたけど、以外に美味しかったです。それと、ニャン猫ありがとうございました 」


と言って、俺たちはファミレスを出た。


*****


「あ、お兄ちゃんおかえり。」

「おう、ただいま〜」

「どうだった?おデートは。」

「いや、別にデートではないが?」

「え〜本当に〜」


 妹のしずくはニタ〜っとした顔で色々と事細かく聞いてこようとしてきてウザかった。



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