第11話 宮村の妹
ある日、19時くらいに無性にアイスを食べたくなった。特に、コンビニのチョコたっぷりアイスが特に食べたくなった。
なので、財布を持ってアイスを買いに来たのだが、コンビニ近くで数人の男が中学生くらいの女の子を囲んでいる。
「なあ、俺たちと遊ぼうぜ。」
「いやだ。お前みたいな奴らと付き合うわけないでしょ。」
「そう言わずにさ〜」
っと、無理やり腕を引っ張りどこかに連れて行こうとされている。流石に危ないとおもったので、俺が助けに入った。
「おい、嫌がってるだろが。」
「あ?俺たちは、こいつと楽しく遊んでいるだけだから、どっか行けよ。」
「はぁあ。いい大人が、子供を怯えさせて楽しいか?警察呼ばれたくなければさっさと、ここから立ち去れ。」
110番号押したスマホを見せつけると、女の子を取り囲んでいた男どもはどこかに消えて行った。
まあ、複数人で行動してでしか、女の子に話しかけられな野郎には一番警察という脅しが効くから、対応が楽で助かる。
男に囲まれてわからなかったが、女の子は、ツインテールをしている子だった。
「あの、助けてくれてありがとうございました。」
「いいよ。女の子一人で、あまり夜は歩かない方がいいと思うよ。」
「あ、はい。あ、私の名前は宮村結奈です。改めて、助けてくださいありがとうございます。」
宮村...結奈...?宮村ってことは、宮村の妹かな?確か、あいつ妹ととかいるとか言ってたしな。
聞いてみるか。
「なあ、結奈ちゃんは宮村桃の妹かなにか?」
「そ、そうですが、お兄ちゃんはお姉ちゃんと知り合いなんですか?」
「まあな、一応、お姉ちゃんと付き合ってるからね。」
「え、そうなんですか!?」
「そうだけど。」
「お弁当食べましたか?」
「ああ、美味しかったよ。」
「そうなんですか。」
「また、知らない人に絡まれるかもしれないから、俺が宮村の家まで連れて行ってあげるよ。」
「はい、ありがとうございます。親切なんですね。」
「そうか?」
俺は、限定アイスとしずくに頼まれたポテチを買い結奈ちゃんを家に送り届けることにした。
「ここでいい?」
「はい。ありがとうございました。」
しっかりと、送り届け帰ろうとすると、宮村の家のドアが『ガチャ』という音がした。
「もう、遅いじゃん。心配したんだけど。」
「ごめん、お姉ちゃん。知らない、男の人に絡まれたんだ。」
「だ、大丈夫だった?」
「うん、あのお兄ちゃんが助けてくれたから。」
っと、俺の方に視線をやった。
「え、先輩!?」
「おう。」
「え、あ。妹がご迷惑かけました。それと、妹を助けてくれてありがとうございました。」
普段は見せない、礼儀正しい宮村。レア宮村を見ることができた。
「お兄ちゃ〜ん。ありがとう。」
と、結奈ちゃんが俺の腕に胸を押し付けてきた。
暗くて見えなかったが、感触的には宮村よりかは小さい。だが、腕にやわらいものが当たっているのはわかる。
「こ、こら!!先輩から離れて。」
「もお〜お姉ちゃんもこれくらいしているんじゃないの?お姉ちゃんはお兄ちゃんと彼女なんだから。」
「そ、そんなことはしない!!」
そう言って、宮村が結奈ちゃんを引き剥がしてくれた。
「じゃ、俺は帰るは。」
「先輩。ありがとうございました。今度、なにかで埋め合わせしするんで。」
と、宮村に見送られながら帰った。
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