作品紹介 01 幻想機動天使 ヴェンデッタ・ゼロ 作者 月影 弧夜見様

【ストーリーと見所】

心が躍る熱血展開と、曇らせ(鬱展開的なあれ?若い人の言葉は難しいねぇ!)が魅力の王道ロボットバトルファンタジー。


ファンタジー世界を舞台に、ロボットに乗った主人公が苦悩しながらも立ち上がり、未知の敵との戦いを繰り広げるといった感じのストーリー。


どうやら同作者さんの他作品からのスピンオフのようだが、こちら単体でも充分に楽しむことができるようになっている。とはいえ、本編からの出張キャラクターもいるようなので、より楽しみたければそちらを先に読んでおいた方がいいのかも知れない。


ストーリーの流れとしては王道も王道。他にこれといって取り柄がないながらも、サイドツー(作中でのロボットの総称)の操縦には類まれなる才能を見せる主人公が

サイドツーを使ったスポーツ大会に優勝したところに未知の敵が襲来。


民間人を護るために賞品として手に入れるはずだった機体に乗り込む……。


とまぁ、ここだけでもわかるように実にロボアニメの王道を突っ走るような作品となっている。

なので何処かで見たような、それこそそういった作品が好きならば親近感を覚えるような場面も多く、盛り上がりどころも非常にわかりやすい。


それに加えて主人公に対する徹底的ともいえる曇らせ、つまりは心にダメージを与えるようなシーンが序盤から容赦なく襲い掛かり、心を削ってくる。


人によっては少しきつく感じるかも知れないが、それがあってこそその後の活躍ぶりがより強く輝くような構成となっているので心配はご無用。


ロボットものが好きならば読んでおいて損はない作品といえるだろう。


【個人的に気に入った点】

好きなもの全部詰め込みました感がとてもいい。


正直な話、拙い部分が全くないとは言えないが、それでも作者さんがやりたいことや好きなものを全力でぶつけている姿勢が素晴らしく心に刺さってくる。


鬱展開が多いように思えるかも知れないが、上に書いた通りそれは後に主人公を活躍させるための伏線となっており、辛いことがあるからこそそれを跳ねのけて戦う決意をする主人公の勇気と悲壮がより強く表現されている。


惜しい点があるとするならば、少し展開が急すぎるということだろうか。


物語として次から次へと事態が変化することは読んでいて退屈せずとてもいいのだが、少しばかり緩急が欲しかったところでもある。もっともその辺りに関しては最新話付近がちょうど「緩」に当たる部分にはなっているのかも知れないが。


謎のロボットに生身でロボと戦える人間、そして未知の敵性生物と主人公の悲壮な決意。

男の子が好きなもの全部乗せのようなこちらの小説は、一見の価値といって間違いない。


【こんな人にお勧め】

ロボットアニメが好きな人!


アニメに限らず、巨大ロボに人が乗り込んで戦うような展開が好きな人ならば間違いなく楽しめる作品となっている。


特に主人公が苦悩し、それを乗り越えるような展開を好む人にはこの上なく突き刺さることだろう。


物語には謎や伏線も数多く張られており、そういったものを考察するのが好きな人にもお勧め。


【本編URL】

https://kakuyomu.jp/works/16817330664285051441






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