例えばさ、

例えばの話なんだけど、好きなひとが殺人鬼だったらどうするかな。ときみはこぼした。曇った顔が可愛らしい。なんでも、気になっている人がかなり奔放らしいが、手を出したらしき人間が行方不明になるのだという。それは危ないよ、とわたしは言う。好きなひとに何かがあるのかはわからないけれど、と付け加える。そっか、ときみは目尻に涙を滲ませてら机に突っ伏すから、慰めてあげようかと部屋に連れて行く。手錠をつけて首輪をつけて、なにかを期待したかのようにこちらを見るきみの足の腱を切る。のたうちまわるきみを押し倒す。言ったでしょ、これからずっと慰めてあげるから。わたしが飽きるまではね。ああ! やっぱり、きみの曇った顔はとても可愛らしい。あいしてるよ。

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