目が覚めたら母ちゃんの推しのアクスタだった件

つきたん

第1話


朝、目が覚めたら体が強張って、何だかぎこちなかった。


まるでローラーでぺったんこに推し伸ばされたような?

金縛りにでもあったような?

妙な気分だ。


寝起きのボワンとした脳みそで考える。


変哲の無い、いつもの見慣れたリビングだ。

あれ、俺ベッドで寝ていなかったっけ?


軽音部の練習でクタクタだったからソファーでうっかり寝込んでしまったのか。


いや、何か変だ。

ソファーは目の前にある。

そして部屋全体が…大きく見える!?


俺は、ガラス越しに広がるリビングルームの家具たちを眼下に眺めた。


そして俺の周りに、プールのようにデカくて模様の付いた、艶々した何かが鎮座しているという事実に気づく。


どっかで見たことあるぞ?

あー、あれだ、母ちゃんの大切にしているヘレンドのティーカップだ。

割ったらヤバいな。


ってアレ?


まさか…。


俺は…ガラスのキャビネットの中に閉じ込められていた。

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