第2話

「やった〜。」

翠がネコね。

はい「お手!」、

「も〜、ネコ、ネコ、犬と違うって。」

翠が渋い顔で、破顔している。まさか、翠のSNSのフォロワーが40万人を超えているとは・・・

どうやって伸ばしたのか?そして本当にアンケートを取るとは・・・

予想とは違い、私こと蒼がタチで、見目麗しい私のお姫様こと、翠がネコになるとは、別に性行為をする訳では無いのに、このドキドキフワフワする気持ちは何処から来るのか?

翠はいつも二人だけの確かな特別を欲しがる。次は何が待ち受けているのか?

「なぁ、この際、動画サイトでカップルチャンネルやってみようよ。」

「いや、いや、顔出しはちょっと・・・」

と言うか、なんで「蒼と翠」がトレンド入りしてるの?今更ながら、これは、デジタルタトゥーにならないだろうか?炎上はしないだろうか?まだ心の準備が追い付いておらず、時々立ちくらみがする。自分学生言い出したと言え・・・

やはり、どんな人間にも射幸心には勝てないのだろう。クラスメートの黄色い声が、ちょっと気になる。

「ねえ、ちょっと聞きたいんだけど」昼下がり、屋上の二人だけの空間に、凛した声が聞こえて来る。

多分、制服からして上級生で、ショートボブで、王子様っぽい感じの人だ。何か悪い事をしただろうか、丁度キスしようとして、ちょっとムラムラしていた時だった。

「このアンケート、アナタ達の事だよね?」

と、スマホを見せてくる。やはりやり過ぎたのだろうか?

「ご、ごめんなさい。何かごめんなさい」

翠が珍しく土下座をする。

「いや、そんなにかしこまらなくて良いよ。」

「では、何か御用でしょうか?」

私が問い直す。

「いや、私も彼女が居るんだよね。それで聞きたいんだけど、私達にもアンケート取ってくれない?」

凛とした王子様の後ろから彼女さん?がひょっこり姿を表す。

私達は安堵する。

「では、どのようなアンケートでしょうか?」

「ああ、言い忘れたけど、私、琥珀、そしてこの娘が珊瑚、名前ね。

アンケートなんだけど、聞きたい事は、「百合カップルの妊娠が有りか無しか?」、結婚する約束はしてるんだけど、子供をどうしたら良いか意見が分かれてるんだよね。」

裾野に猛者が多い事は子供ながら、知っていたが、まさかこのような事になろうとは・・・

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