それでも、あの頃に戻りたい

第1話

いっつも、いっつも、

お腹が空いてて、

いっつも、いっつも、

食べること、食べたくないこと、

ただそれだけで、頭の中がいっぱいで、

痩せ細ったココロとカラダを、

自慢げに、誇らしげに、よろめきながら歩いていた。

常に空腹と闘って、ほんの少しの何かを食して、

そうやって、満足していたあの頃。

限界まで痩せていた。

見る者は絶句した。

ワタシは気づいていなかった。

今はすっかり変わってしまった。

一年で16キロ。

ワタシは、どこ？

探しても、見つからない。

あの頃のワタシは見あたらない。

現実を受け入れられるワケもない。

そんなことを繰り返している。

一度や二度ではない。

この波を、もう、何年も。

始まりは高校生の頃だったかな。

落差が大きい時には20キロ以上にも及ぶ。

泣いても泣いても、吐いても吐いても、

昨日のワタシは戻ってこない。

毎日変わってゆく自分のカラダにココロは追いつかず、

刻々と変わってしまう自分自身に恐怖を感じながら、

今日もワタシは、浅瀬を泳ぐ。