第10話 地に足を付けて

創作活動を始めて、確か4年ほど。


僕はラノベを読んだ事がなく、文芸作品がほとんだだったので、目指す作品の仕上がりもそれでした。

文芸作品はテンプレがなく、本当に自由で、主人公の人生を描く物という認識でした。

憧れは村上春樹先生ですから、そりゃあ、真似なんてできないですよね。

表現一つも真似できない。

村上春樹先生の表現をパクったとして、自分の作品にはしっくりこない。

体操着にしゃれたトレンチや革靴を合わせるような物で、素人でもちぐはぐで変だってわかるほどに使えない。


そんな僕が、先ずやった事は、表現の勉強や練習でした。

とにかくいろんな作家の作品を読んで、表現を勉強したんです。

本を読みながら、ずきゅんと来た表現や好きなシーンのあるページに付箋を貼って行く。

本棚の文庫は通常の3倍ほどに膨れ上がってました。


ウェブで小説読むようになってからは便利でした。

メモ帳にコピペすればいいので。

コピペできないページは、スクショ(笑)


でもやはり使う事はできない。

誰のどんな作品の表現も、やはりその作品でしか輝かないんです。


しかし、そうこうしながら、このシーン好きだな。

この表現使いたいな。

そんな物がインスピレーションになり、年間で5作ほど長編を書いてました。


そりゃあもう、誰も見たことない小説ができるわけですよ。

ただひたすら、楽しくて、面白くて。

思うような評価が得られなかったとしても、誰からも読まれなくても、本当に楽しかったですね。


釣りだけは上手だったので、どんな作品でもPVはそこそこ稼げるわけです。

うっかり釣られた読者さんからの反応は、「カクヨムではなかなかないタイプの小説」と評されてました(笑)


それではダメなんだ、と気づいたのは本当につい最近の事です。


ダメなんですよ。


だって僕、有名作家じゃないから。


例えば「落陽」なんてタイトル付けた所で、誰も興味持ちませんよね(笑)

カクヨムにはおよそ似つかわしくない小説は、物になりません。


ウェブで書き始めてから、交流のある作家さんから言われた言葉。

PVたくさんあっていいな。読み専さんからのフォロー羨ましい。

そんな言葉で、僕はウェブに置いてPVが全てとなりました。

しかも、読み専さんから読んでもらえる事。

それがたまらなく快感になったのです。


タイトル→キャッチ→あらすじ→1話目で、どれだけ興味を持ってもらえるか、が全て。

なので、エタる事も多かったです。


僕は小説を通して何を発信したいんだろう?

自分の経験を通して、何を表現し、何を残したいんだろう?


そんな自問自答をしながら、だらっと長編を書く日々。


その答えはまだぼんやりです。


ただ一つだけはっきりした事は、「読者さんを楽しませたい」。

それだけはずっとブレないんですけど。


じゃあ、楽しませるにはどうしたらいいのか。

何を描けばいいのか。


結局はテンプレなんですよね。

もしかしたら、僕の作品を追いかけてくださってる読者さんは、僕にテンプレなんて期待してないのかも知れません。

読み専さんの殆どが何も言わないので、わかりませんけどね。


僕も、書籍化したいんですよ。

テンプレじゃないと、書籍化はまぁ無理なんで。


テンプレの中にいかに独創性を取り込み、これまで培った表現力を活かして、ラストシーンまで読者さんを連れていくのか。

そういう事が課題だなって思うんです。


多くの日本のエンタメ小説、映画、ドラマ。

全部テンプレです。


多分、なんですけど。

小説に必要な物、僕大体わかったんですよ。


漫画や映像作品に描かれない物。描けない物と言った方が正しいかもしれません。

小説にはそれがあって、不可欠。


それは「葛藤」です。

登場人物たちの葛藤をいかにドラマティックに描くか。


それが、僕には足りていなかったなと思いました。


この頃やっと、小説を書くという事に於いて、地に足がつくような気がしてます。


急にそうなったわけではなく、やはり多くの執筆活動を公の場でやってきた事によって得られた気付きですね。


書き始めたきっかけは、コロナで図らずも腐るほどの時間が得られた事でしたが、今は違います。


貴重な時間を削って作品に向き合わなければなりません。


から一歩脱却して、を書くという覚悟と方法。

そこに照準を合わせて挑めば、きっと僕も書籍化できる! はずw



以上です。

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