ヤンデレ姉妹があまりに過保護

第1話

 平凡だ。特別な人間にはなれない。誰だってそんなものだろう。


 授業中そんなことを考える。あくまで時間を潰すためだ。ボーとしているよりも、たとえくだらない事でも何かを考えていたほうが時間の進みが早く感じるのだ。

 考え事でしか時間を潰せないのも悲しいことだが、俺の周りに話が合う女の子がいないので仕方がない。男?この学校にいる男は俺を合わせて二十人いるかどうかだ。

 そう、男女比驚異の一対九である。あくまで俺の想像であって、実際はもっと酷いだろう。


 故に居心地は最悪だ。結構えぐい下ネタが聞こえてくるのもあって、たまに俺の事を忘れてるんじゃないかとさえ思ってしまう。


 「新君。おつかい」


 「行ってきまーす」


 が、俺は忘れられているどころか、このクラスではパシリだった。授業中にも関わらず、教室から出て自販機へ向かう。いつもことだ。




 「ただいまーっと。そういや今日はいないって言ってたな」


 学校から帰った俺は、まずシャワーを浴びに行く。これもいつものことだ。自転車で全力疾走で帰ってくるため、どうしても汗を掻いてしまうのだ。

 シャワーで汗を流し、私服に着替える。制服を洗濯機に入れ、ついでに洗剤を投げ入れて洗濯しておく。


 「ふぅ。さっぱりした」


 自室に入り、ゲームでもしようかと思いスマホを取り出す。アプリアイコンをタップした瞬間に電話がかかってきた。


 母さんか…。


 「はいはい」


 「進作。悪いけど私、帰るのは明日になるからよろしくね?」


 それは昨日聞いたから問題ないけど、よろしくって何だ?配達物でも届くのか?


 「よろしくって、別に何もないだろ?」


 「あら?私ったら話してなかったの」


 話してなかったって……。また、何か怪しいものを買ったのか。この前も止めたのに、俺の努力を返してくれ。


 「そろそろ来ると思うけど……とその前に私再婚するのよ♪」


 「はい?」


 「再婚よ、再婚」


 「それはいい。おめでとう。それよりも、そろそろ来るって何?」


 大きめの化粧台とかだったら俺一人じゃ運べないぞ。だからといって、小物ならいいって訳でもないけど。指輪とかだと受け取るの怖いし……。いや指輪はないか。


 「貴方の姉妹になる二人が来るのよ。二人とも美人で礼儀正しい子だから安心していいわ。家の二階に空き部屋が二つあるでしょ?そこが二人の部屋になるから案内してあげて」


 ……何を言っているんだ、この母は。健全な男子高校生にいきなり女の子と同棲しろと?どんなラブコメ展開だよ!!……いやいや、そんなツッコミしてる場合じゃない。と、とにかく急いで掃除しないと。


 「あ、もう着くって。それじゃ進作、二人のことよろしくね?」プツッ


 もう着くって?やばいやばい。急いで色々準備しないと。


 ピーンポーン


 えつ?はっっや。もう来ちゃったよ。掃除も出来てないし、心の準備も出来てないし、何も歓迎の用意も出来てないけど、いいかな?


 待たせても結局変わらないと判断して、インターホン越しで返事をし玄関に向かう。 

 ドキドキとうるさくなる心臓を無視してドアを開ける。


 「あっ、こんにちは。進作君」


 「こんにちは。これからよろしくね♪」


 二人の美人が目の前に立っていた。






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 ポッと浮かんできたので書いてみました。

 あんまり続かないかも……

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