幼馴染

勝利だギューちゃん

第1話

「眠い」


冬の朝。

とても眠い。

布団が俺に恋をしているのか、なかなか放してくれない。


「甘えん坊め」


心の中でつぶやく。

「俺も愛しているよ」


そう思う。


と、思った時、下から声がする。


「あら、・・・ちゃん、おはよう」

「おばさん、おはようございます」

「・・・は?」

「まだ寝てるわよ。お願いできる?」

「喜んで」


階段を駆け上がってくる音がする。

そろそろ来るな。


勢いよくドアを開ける。


「起きろー。朝だぞ」

「眠い。ていうかノックくらいしろ」

「どうせ寝てるでしょ」

「なぜわかる?」

「だてに、17年も幼馴染やってない」


さよですか。


「いいから起きなさい」

「キャサリンが放してくれない」

「布団に名前つけるな」


眠い。


「起きるから、おはようのキスをしてくれ」

「やだ」

「おケチ」


・・・


なんて、やりとりは今時、漫画でもゲームでもやらないか。

くだらないこと考えてないで、起きようと思ったが、今日は休みだ。


寝よう。


「わるかったはね。ケチで」

「うわー、お前いつからそこに?」

「5分ほどまえから、面白かったわよ」


幼馴染の女の子が、本当にそこにいた。


「で、何のようだ」

「わすれたの?今日は映画に行く約束でしょ」

「そうだっけ?」

「うん。お父さんからもらった試写会」

「ああ、そうだったな」


さてと、起きますか。


「あのう」

「何?」

「着替えるんだけど」

「だから」

「だからって・・・」


「・・・ちゃん、悪いけど手伝ってくれる?」

「はーい。今行きまーす」


ナイス母さん。


さてと、今日は決めますか。

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幼馴染 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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