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ピュオーピュオー ヒュオオンヒュオオン
風は遠くへの憧れを吹き込んだよ
人の夢に 獣の夢に
草木の夢に 卵の夢に
埋もれてまどろむ死者の夢にさえ
世界に閉じ込められたものたちは誰も風より遠くへ行けない
ただ世界の内側をうろうろとふらふらと
風は世界をかき混ぜる
閉じられたままのドアはこじ開ける
死者の息を盗んでは、赤子の口に押し込んで
時にはその逆も楽しんでぐるぐると
世界を混ぜてお前たちを迷子にさせる
飽きたら次の玩具を探しに行こう
「あらまあ」
醜い姫は顔を不格好にひきつらせて笑った。
「本当に全身赤いわ、なんて醜いこと」
ひっ、はっ、ひっ、と喉元をよじらせ、体をねじくれさせて笑う。
国の内外から集められた醜い侍女たちがそれに唱和して、アハハ、イヒヒ、と笑った。
黒い宮殿に響く嘲笑。
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