第7話 北海道胆振東部地震

 2018年9月6日午前3時7分

 最大震度六強の地震

 僕は自宅に居た

 円を描くような揺れに恐怖を感じた

 ドアを開け、逃げ道を確保する

 家具の下敷きにならないように、廊下へ

 揺れが収まるのを待つ

 停電

 現場から工事中止の連絡が来ない

 よく分からないまま現場に向かった

 信号は動いていない交差点を注意して通過

 岩見沢に入る頃には警察官が交通誘導していた

 桂沢トンネル前の待避場に到着

 会社に連絡を入れる

 中止の連絡が入っていない

 現場はいつものように仕事が始まる

 今日の配置場所は、東桂橋


 しばらく仕事を続ける

 外の状況がわからない

 不安になる

 家族の事が心配

 熊も警戒しなければ

 結局定時まで仕事


 虫や動物たちは地震をただ受け入れるのだろう

 起こってしまったことはしょうがないと

 人とは違って


 帰宅した停電

 食料を確保していた。

 コンビニには、必要な物は何一つ残っていなかった

 避難所行く

 携帯の充電をするため発電機前に集まっていた


 残った小銭を手にして自販機を回り飲料水を確保する

 そして現場に向かった

 ガソリン入手困難のため二日目から工事が中止になった 


 大きな地震の記憶

 私が記録に残っているのは

 1968年5月16日

 十勝沖地震だ

 マグニチュード7.6

 最大震度五

 午前9時48分53秒

 地面が揺れ歩けなかった

 小さな頃の記憶が甦る


 この森の向こうで何が起こっている

 何も起こってないかもしれない

 耳を澄ましても

 目を凝らしても

 外の様子なんかわからない

 もしかすると

 洪水がおきているかも

 地震が起こっているかも

 誰かが助けを求めているかもしれない

 今の私には届かない

 もしかして、戦争が起こって、

 人々が全て亡くなったとしても

 僕にはわからない

 僕、一人になってしまったかもしれないと

 不安になる

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