可愛い魔女プティ。（完全版）

第7話：カオスは文字通りカオスな店の巻。

プティ目当てに、お客はやっては来ていたけど、お客も平日プティは

理容美容学校に行ってるから午前中はいないって知ってる、だから朝からは来ない。

プティが学校から帰ると午後から、たちまちお客が入れ替わり立ち代りやって来て

忙しかった。

問題は土・日だった・・・超多忙だったのは言うまでもないわけで、

面倒くさいプティはお客の髪を全部魔法で仕上げていった。

プティは来たお客の髪型をすべて記憶してるから、だから髪をカットして

髭を剃って髪を洗ってセットして五分もかからない。

観音（かのん）さんは魔法ってなんて便利なんだって思った。

急ぐ人はプティが担当して、時間がある人は観音さんが担当した。

だけどプティがいいってお客が圧倒的に多くて観音さんは思ったほど忙しく

はなかった。

たぶん男なら誰でもみんなプティにお願いしたいところだよね。

もうこれ以上お客は増えなくていい、もう少しのんびり行きたいと

観音さんは思っていたら、なんとプティはカオスの店内の一角で

コーヒショップがやりたいと言い出した。

カオスに来たお客さんが美味しいコーヒーが飲めるようにって。

観音さんはそこまでしなくてもって最初はコーヒショップ出店に反対したけど

一度言い出すと聞かないわががまなプティ。

反対しても無駄と漢音さんはしぶしぶ承諾した。

で、ウキウキワクワクのプティはコーヒーショップのド下手な企画デザインを

漢音さんに見せた。

そういうことは観音さんのほうが得意。

一度賛成すると本気になる漢音さん。

漢音さんはプティのために素敵なコーヒショップのデザインを描いてくれた。

それを元にプティがコーヒーショップの材料を魔法で出してあっと言う間に

またまた魔法で組み立てていった。

店の一角だから、カウンター内には人ひとりしか入れない、ほんとにこじんまり

したカフェ。

以前からそこに設置してあったショーケースと中に自慢げに飾られていた

観音さんの理容コンテストかなんかで優勝した時にもらったトロフィーとか

盾類とかはショーケースごと奥の押し入れにとっととしまわれてしまった。

カウンターがあって、プティがカウンターレディー、

あとはプティがコーヒーの入れ方を学んだらいつでもオープンできるようになった。

カオスに髪をカットしに来るお客さんにはコーヒーはタダでサービス。

でもプティとコーヒーだけ目当てにやってくるお客さんからはコーヒー代を

頂くことにした。

どうなっちゃうんだ、理髪店カオス・・・カオスは文字通りカオスな店になろうと

していた。

そんな中でも観音さんには気分的にいいこともあった。

プティが大人なレディーになったもんだからプティを連れて街に買い物に出ると

めちゃ優越感に浸れるからだ。

と言うのも大人になったプティはブーツなんか履くと身長も170センチくらい

になって九頭身だし足は超長いし、めちゃ美人ときてるもんだから、すれ違う

男どもはみんなプティを見ていく、中には二度見して行く男もいる。

プティはTGC「東京ガールズコレクション」のランウェイなんか歩いたら、

さぞかしエモいだろうなって観音さんは思った。

観音さんは普段はあまり喜怒哀楽を表に出さない性格なんだけど、プティを

連れてる時だけはテンションが上がった。

だから

「この子は僕の彼女だよ、うらやましいだろ？」

ってクチに出して自慢して回りたかった。

観音さんはチャラくもないしお調子者じゃにから言わないけどね。

そんなこと知らないプティ。

このぶんだとプティは観音さんのためにも、もう元にはも取らないほうが

よさそうかな。

子供扱いもされたくないしね。

とぅ〜び〜こんて乳。