第13話 リンが扱える攻撃魔法!?

「…………///」


「…………(汗)」


 俺の情けない姿を、リンは困った笑顔で見ており、アスは呆れた表情で見ている。

 だが、コハルは笑顔で俺に言い始める。


「まぁ、初めの内はしょうが無いよ!」

「徐々に慣れていけば良い……剣に慣れるのも大事だけど、魔物に合わした魔法剣にも慣れていかないとね!!」


 コハルの言葉の後。

 アスが質問する様な表情で、コハルに話し始める。


「コハルさん!」

「魔法剣に関してですが……スズヤさんは、初歩的な黒魔法しか扱えない関係で、ブランドやイス程度の魔法でしか、魔法剣は作れないのですよね?」


「いや、そんな事は無いよ。アスちゃん♪」

「時期にスズヤはオスキャが使える様に成るはずだし、ゾンビ系魔物にはスイスイで魔法剣を作れば良いし、麻痺魔法で有るフーロリングで魔法剣を作れば、相手を斬って同時に麻痺させる事も出来る!♪」


「アスちゃん見たいに、強力な黒魔法を使った魔法剣は作れないが、そもそも王者の剣自体がこの世の最高武器で有るから、ブランド程度の魔法剣でも、殆ど魔物はもう倒せてしまうのが現実なんだよ…!」


「はぁ……もう、スズヤさんは最高の武器を手に入れた訳に成るのですか?」


 コハルが笑顔で言った後。アスは理解出来ない表情でコハルに話す。

 コハルは和やかな表情でアスに話し始める。


「まぁ、そう言う事!」

「だけど……魔王が、魔物の品種改良をしているみたいだから、もしかしたら苦戦を強いられるかも知れない?」


「品種改良ですって!?」

「それは本当なんですか。コハルさん!!」


 アスは驚いた表情でコハルに話す。

 コハルは頭を下げながら、アスに話し始める。


「……魔王が現われる前から魔物は居たけど、人間を積極的に襲ったりはしなかった」

「だけど、魔王が現われてからは魔物が一気に凶暴化して、更に力や知能が増しているのだよ…」


「最近の魔物は、魔除けの香水をかけておいても、平気で襲って来る様に成っているらしい……」

「間違いなく、魔王が魔物達に何かをしている!」


「薬物投与でもしているのか、それとも遺伝子操作をしているかまでは分からないけど、今の魔物達は人間を全く恐れないし、好戦的に成ってしまっている///」


(フウゴルの言葉が本当なら、バンタツミは間違いなく人間だろう)

(そして、思いたくは無いが……バンタツミも、俺の様に異世界へ飛ばされてきた人間で有る可能性が強い…)


(フウゴルが俺との戦いの前に、壺に入った水を飲んでいたが、あれは多分。興奮剤が入った水とかだったんだろう……)

(でなければ、猟奇殺人鬼の様にフウゴルは成れないし、リンやアスに過剰な発情もしない)


 俺が心の中で思っていると、リンが困った表情でリンに話し始める。


「コハルさん…」

「もし、王者の剣で魔法剣を作っても、倒せない魔物が出て来た場合はどうすれば良いのですか?」


「?」

「そんなの、アスちゃんに任せるしか無いよ!♪」


 コハルは、分かり切った表情でリンに言う。

 アスが唱えられる黒魔法は、チート級に強い。


 だが、コハルは笑みを含ませながら、リンに言い始める。


「だけどね。リンちゃん!」

「この世で一番強い魔法使いは……実は、リンちゃんなんだよ!!」


「!!///」


「!」


 コハルの言葉でリンは驚きの表情を見せ、アスは顔を『ムッ』とさせる!

 アスは、リンを意外にもライバル目線で見ている様だ!!


 こっちの方が驚きだよ!///

 アスが時々、リンに突っかかる態度が変だとは感じていたが!!///


 コハルは嬉しそうな表情でリンに話し始める。


「リンちゃんも、アスちゃん同様に優秀な魔法使いで有るし、白魔法使いに関してはこの世界で一番の優秀だと、私は感じている!」

「白魔法使いは攻撃魔法を持たない魔法使いだと、最初の頃に教えられるけど、実が一つだけ有るんだよ!!」


「えっ!? ええっ!!///」

「私。そんなの初めて聞きました!!//////」


 リンは頬を染めながら、驚きの表情でコハルに話す。

 コハルは勿体もったいぶる表情で、リンに話し始める。


「ホーリーフレアと言う、白魔法唯一の攻撃魔法が有るんだ!」

「名前の通り。聖なる花の様な小さな光が無数に出現して、相手を聖なる光で浄化させる…!」


 嬉しそうな表情で話すコハルで有るが、此処で困った表情に変わって、リンに言葉を続ける。


「だけど致命的な欠点が有って……大魔力の上。全ての魔力を消費するし、体力がかなり持って行かれる!」

「最悪は、魔法の発動と引き換えに命を落とす…///」


「体力を温存した状態で、ホーリーフレアを唱えれば大丈夫だろうけど…!」


「へぇーー」

「私にも攻撃魔法が有ったんだ……だけど、命の引き換えは嫌だな///」


 リンは感心した表情の後。嫌な表情でコハルに話す。

 だが、コハルは厳しい表情でリンに話し始める。


「出来れば、これをリンちゃんには教えたくは無い!」

「過去の白魔法使いたちにも、ホーリーフレアを習得させていたけど……魔法を唱えた後に殉職する人が絶えなくてね……」


「なので、私が守り神に就いてからは習得禁止にした!」


(自分で言っておいて、そんな事を言うなよ。コハル…)

(俗に言う。ぬか喜びでは無いか……)


 ホーリーフレアは生死に関わるが、白魔法使いが唯一扱える攻撃魔法なんだろう。

 アスが初めて実戦でストッレアエルツを唱えた時も、アスの体力は一気に消耗していた。


 攻撃魔法を全く扱った事が無いリンが、行き成りホーリーフレアを唱えれば、一気に急死しておかしくは無い訳か……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る