第14話 ~魔性~

朝起きて学校に行く。なんでもない毎日だ。

俺は普通を楽しんでいた。

学校へ行くとホームルーム前のわずかな時間あゆとの雑談を楽しむ。

昼休みには佐伯と一緒に弁当を食う。そんな当たり前な日々が結構気に入っていた。

その日は何事も無く家に帰ってきて、原と真也のゲームをやってる姿を眺める。


GWゴールデンウィーク前の日、俺は普通に学校へ行く。

すると教室で裕子が待っていた。


GWゴールデンウィーク中、夜はする事が無いの。真吾の家に遊びに行ってもいい?」


「柏に許可取るなら全然歓迎だよ」


「じゃあ正樹に言ってくるね♪」

そう言ってクラスを出て行った。


「何あのクソビッチがまた真吾の家に行くわけ?」

あゆが機嫌悪そうに言ってくる。


「そうなるかな。ま~柏次第だけどね」


「彼氏いるのにウザイわね」

そう言ってホームルームが始まり出席を取る。

1時限目からはグッスリ寝た。

起きたら11時55分。危ない昼休みに入るところだった。

チャイムが鳴り昼になる。

すると柏が入ってきた。


GWゴールデンウィーク中俺はいないんで裕子の事よろしく頼みます。出来る範囲でいいんで遊んでやって下さい」


「おぅ。わかったよ。本家に行くんだろ?」


「ハイ。出来るだけ裕子の面倒見てあげて下さい。」

そういって柏は教室から出て行った。


6時間目が終わると教師が来てホームルームだ。

GWゴールデンウィーク中、ハメをはずさないように。学生らしく行動するように」

等と偉そうな事を言ってきた。


「特に尾崎さん問題を起こすなよ」

なぜか指名された。


「は~い」と答えるとホームルームが終わった。

後ろの席のあゆに一言。

「俺に会えなくて寂しいと思うが我慢するんだよ」


「バッカじゃないの、あんたの顔みないで済むなんてありがたいわ。このクソ猿」

ちょっとだけからかってみたら怒ってる様子だった。

そんなやり取りをしてチャリで校門を出た。



ちょっとジムでも寄ってくか。


「コーチ、こんにちわ。GWゴールデンウィークでもジムやってます?」


「おぅ!尾崎か。ジムはやってるよ。交代で休みは取らせてもらうけどな」


「じゃあ来ますね」

そう言って準備運動を始めるとグローブをはめてサンドバッグを叩き始めた。

そして腹筋、腕立て、縄跳び、シャドーボクシングを繰り返していた。

小柳今日は来ないな。バイトかな?そう思った。

日が暮れてきたのでコーチに一言挨拶してジムを後にして家に着いた。



家に着くと原と真也がゲームをやっていた。


「今日お前等デートは?」


GWゴールデンウィーク中毎日会う事になってるから今日はパス」

原がそう言った。真也もそうらしい。


「ラブラブで羨ましい限りだよ」

俺はそういうと原が「彼女作れば?」等と軽々しく言ってくる。

俺はいつものように「お前等が来なくなった時はな」そう答える。

しばらくゲームをしてる2人を見てるとPHSが鳴った。

相手は綾だった。


「もしもし?どうしたの?」


「今から遊ぼ♪」


「ちょっと家から出られない。来てくれるならいいよ」


「じゃあ真吾の家に行く~住所は?」

そう言って住所と簡単に建物の説明をした。


「じゃあ今から行くね~♪」


「誰だったの?」

原が聞いてくる。


「あぁ。小悪魔のボスの女の子だよ。2人にも紹介しとく」


「えぇマジデ。いつの間に仲良くなったんだよ」

真也が驚いている。

事情を説明すると2人は納得した。

そして10分位過ぎた頃外からバイクの音が聞こえてきた。

外に出ると綾だった。女なのにゼファーZR400Cに乗ってる。

原と真也も出てきてバイクに興味津々だ。

原と真也が初めましてと言う。


「こっちの小さいのが原弘樹で、こっちのでかいのが向井真也だ。そしてこの女の子が元小悪魔のボスの江川綾だ」

そう言って皆自己紹介を始めた。

そして俺の部屋に来る。


綾が「部屋綺麗にしてるんだね。男の子の部屋だともっと乱雑なのかと思った」


「整理整頓は基本中の基本だからな。俺は基本を守ってるだけだ」

そうして綾をベッドに座らせる。


「原と真也はゲームしてていいぞ」


「俺たちだけのけものにするなよ」

そして4人で雑談だ。雑談と言っても原と真也が一方的に綾に質問しまくっている。


「彼氏は今居るんですか?」等だ。


「お前等自分の彼女がいるだろう。もっと大事にしてやれ」


「それはそうなんだけど江川さんみたいな綺麗な人滅多に見ないからな~」


「あら、お世辞でも嬉しい」綾が答える。


「女の人でゼファーなんて渋いですよ。俺もゼファー欲しくなってきたな」

原がそう言う。


「結構バイトして買ったんだからね。親からも少し出してもらったけど」


「やっぱバイトしねーとだめかな~」

真也がそう言う。


「お前等バイトはしないってこの前言ってなかったっけ?たしか時間の無駄だとか」


「そりゃそうなんだけどさ~。真吾儲けるのに何か作ってくれよ」


「まぁー今それも考えてる」


「バイトしてないのに収入あるの?」

綾がつっこんできた。

事情を説明すると「私の所にもペン買わないかって来たわよ。怪しそうだったんで買わなかったんだけど、あれ真吾だったんだ。かなり儲かったんじゃない?」


「当初の目標金額はまだ達成してないけど今150万位利益出してるかな~」


「150万!凄い。バイク買えるじゃな~い」


「俺は車が欲しいんだよ。だから今は貯金してる」


「真吾は車派なのね」

綾とどうでもいいことを話す。


「俺は単車が欲しいな~」

原がそう言った。「俺も俺も」真也も続けてそういう。


「頼みの綱は真吾だけなんだよ。もう一稼ぎさせてくれ」

原が頼んできた。


「ま~アテが無いわけでもない。今度な、お前等が免許取るころには貯めさせてやるよ」

2人は喜んだ。


「江川さんは16歳で免許取ったんですか? ちなみに今何歳ですか?」

原が失礼な質問をした。


「綾でいいわよ。免許は16歳になってすぐ取った。今は17歳よ。免許取ってから街の不良娘をスカウトして小悪魔を作ったのよ。もちろん力でねじ伏せてね」


「綾さん喧嘩も強いんですね。女の子でバイクのってるだけでも珍しいのに小悪魔を作るなんてやり手ですね」

真也がそう言った。


「でも結局は真吾にやられちゃって神鬼没に入る事になったんだけどね」


「あれは綾が仕掛けてくるから悪いんだぞ」


「神鬼没に容赦ない喧嘩強い人がいるなんて知らなかったもん」

綾はちょっと俯いた。


「真吾ったらね、女でも容赦しないのよ。顔は殴ってくるし手加減はしないし。真吾の喧嘩見てるだけで負けたと思ったわ」


「まぁ真吾は鬼だからな」真也が言う。


「中学時代はそんなんじゃなかったのに、高校入る直前から何か変わったよな。髪の毛もそうだし」

原が痛いとこを突いて来る。


「中学時代はどんな子だったの?」

すると原は中学の卒業アルバムを出して「こんな感じの普通の生徒だったよ。当時から強かったけど。女にも容赦なかったね」


「そうそう結構勉強熱心だったよな~。でもあんまいい点数は採れないみたいな。」

真也が続けてそういう。


「じゃあ真吾高校デビューなんだ。あたしなんて中学の頃から荒れてたわよ」


「まぁ高校入るって区切りもあったしちょうどいいんじゃないかと思ってね。アハハ」

話を誤魔化す。

しばらく雑談が続いた。

「せっかくだしお前等全員うちで飯でも食ってくか?」


「えっ! いいの?」綾が反応した。原と真也は飯を食うのが当たり前になってきた。


「じゃあちょっと待ってろ」そう言ってリビングに向かう。


「今日4人なんだけど食事作ってもらっていいかな?」母さんに聞く。


「人数は多いほうが楽しいわね。分かったわ。4人分ね」


そういうと部屋に戻った。

飯作ってもらえると言うと皆喜んだ。

そしてまた雑談を始める。

30分位過ぎた頃母さんから晩飯出来たと報告が入った。

4人でリビングに移動すると綾はこう言った。


「初めまして江川綾です。今日はご馳走になります。真吾の彼女候補です。宜しくお願いしますお母さん」


「前は違う綺麗な子が来てたじゃない。あなたも綺麗だけど」

余計な事言いやがって。心の中でそう思った。

そして雑談しながら晩御飯をみんなで食べる。


「ご馳走様でした」3人がいう。

母が「また来てちょうだいね。いつでも御飯くらいなら用意してあげるから」


「今度はあたしが料理しますよ。こう見えても料理は得意なんで」綾が言った。


「じゃあ今度お願いしようかしら」

母も上機嫌だった。

部屋に戻ると今度はトランプでもしようと提案した。

今日は負けないぞっと原が言う。


「今日はジジ抜きでもするか?」


「ババ抜きじゃないの?」原が言う。


「JOKERじゃなくて他の1枚を抜くんだよ。これで自分も他人も誰が最後の1枚を持ってるか分からなくなる」

そう説明した。面白そうじゃんと綾が言ってスタートする事になった。

皆均等に負けていた。最後の1枚か何か分からないから難しい。

そうして22時になった。


「俺等はそろそろ帰るわ~。なんか眠たい」

原がそう言って帰り仕度をした。

真也もなんだかんだ言いながら帰る準備をする。


「綾さんまた会えますよね?」

真也がそういうと「また会えるといいわね♪真吾の家もわかったし頻繁に遊びにくるわ」綾がそう答えた。

頻繁に来るのかよ~!そう心の中で叫んだ。

綾と2人きりになった。


「あたしはまだ時間大丈夫よ」


「いかがわしい事はしないぞ」先手を打っておく。


「え~そんな~・・・・・・」

こいつも肉食系女子か。そう思った。


「じゃあ妥協してキスならいい?」


「まぁ、いいよ」

1度提案をし引き下がり、1歩譲った所で再度提案する。商社マンではよくある技術だ。

そんな高等な事を考えているのだろうか。そう思うと顔を近づけてきた。

そして唇を重ねる。

数十秒唇を重ねていた。

そして反射的に胸を揉む。


「真吾がシタいならシテもいいんだよ」


「深い仲になりそうだから遠慮しとく。」

そういうとまた唇を重ねてきた。

何度も何度もキスをした。

そして距離を取ると。綾が言った。


「真吾の事が好き。真面目に付き合うか考えてほしい。浮気はしないと誓うわ。ずっと真吾だけみてる」


「今はすぐ答えは出せない。少し待っててくれ。必ずいい回答を出す」そう言った。

ぶっちゃけ何も考えていないのだが引き伸ばすにはこれしかないと思った。


「うん。待ってるから♪」綾は微笑んだ。

やめてくれ~その微笑に弱いんだ~。心が揺れちまう。

原と真也を一刻も早く排除せねば。そう思った。

そしてまた雑談をした。

もう24時だ、楽しい時間はあっという間だ。


「そろそろ帰るね、真吾も眠いでしょ?」


「あ~ちょっと眠くなってきたかな」


「泊まって行ってもいいんだけどネ♪」

そんな事をしたら襲ってしまう。

まぁ冗談はさておき「送るよ」

そう言って家の外まで出る。


「お別れのキス。して・・・・・・」

そして綾とキスをする。


「じゃあまた明日来るね~バイバ~イ♪」


『ブゥ~ン』エンジンがかかる、いい音だ。

そして綾はノーヘルのまま帰って行った。

いやまてよ、帰り際なんつった、明日も来るだと?明日は裕子が来る日だ。バトルにならなければいいが・・・・・・そう思いつつ部屋に戻ってシャワーを浴びにいく。

部屋に戻ってパジャマに着替えてベッドに潜り込むと、どうか綾と裕子が喧嘩しませんように。そう願いながら寝た。



朝目覚まし時計が鳴る。セットしたまま寝てたのだ。目覚まし時計を止めると壁に叩き付けまた寝る。

そして10時頃外からエンジンの音が聞こえた。

俺は眠い目を擦って外に出ると綾がいた。

「おはよう♪よく眠れた?」

朝早いのに元気だな。

「パジャマ可愛いね。似合ってるよ。ねぇ、おはようのキスをして」

そういうと額にキスをしてやった。

「まぁ部屋に入れよ」そして普段着に着替える。上半身裸になったところで綾がじっと見つめてくる。

「凄い筋肉だね。こりゃ~勝てないわ」そう言う。


俺は着替え終わると。今日はジム行くから遊んでやれないぞと言う。


「ジム?プールでもいくの? トレーニングジム?」


「ボクシングジムだよ。トレーニングしないと体がなまっちまう」


「じゃあ一緒に行って観ててもいい?」


「別に構わないけどヒマだぞ?」


「真吾と一緒に居たいから大丈夫」


そして裕子のゼファーのケツに乗ってジムに向かった。

コーチが近寄ってくる「おぅ、尾崎おはよう。女連れか?」


「着いて来るってきかなくて連れてきちゃいました。隅っこで見学させてますので」


「お嬢ちゃんもボクシングやってみるかい? ダイエットにもなるぞ」

コーチが言ってくる。全て丸投げにされる予感がする。


「まずはこっちきて準備運動からだ。それと着替えあるからそっちで着替えてくるといい」


「コーチ準備いいですね」


「最近はダイエット目的でジムに来る娘もいるからな。余分に服は用意してあるのよ。どうだ万全だろう」

コーチが自信満々に言ってくる。

綾は着替え終わった。

コーチが指導を始める。俺は準備運動をしてサンドバッグを叩く。

そして腕立て、腹筋といつも通りのメニューをこなす。

コーチの方を見ると結構熱心に教えている。

綾もどことなく楽しそうだ。

するとコーチが近づいてきて「この娘は飲み込みが早い。尾崎スパーリングの練習に付き合ってやってくれるか?」


「分かりました。いいですよ」

俺は練習を中断しリングに上がる。綾はプロテクターを着けてリングに上がってきた。


「お手柔らかにね♪」そう綾が言った。

1R目のゴングが鳴る。綾はパンチを繰り出してくるが全然当たらない。

そしてパンチを跳ね除けると軽くボディブローを当てた。

そして綾を翻弄してゆく。

そして6Rが終わった。


「真吾には全然かなわないわ。でもボクシングって面白いのね。汗だくでダイエットにもなりそうだし」

そう言って体の汗を拭いていた。

いい匂いがする。俺は魅了されそうになった。

そして昼になった。


「近くに美味しいオムライス出してくれる喫茶店あるんだけど行くか?」

そう綾にいうと、喜んで行くと言ったので近くの喫茶店に行く。

そして注文すると綾が言ってきた。


「真吾強いと思ったら影であんな努力してるのね。凄いわ」


「努力なんてしてねえよ。好きだからやってるんだよ」


「スパーリングでも全然真吾に当たらなかったし」


「そりゃ素人との違いだよ。俺はプロとも互角以上にわたり合えるしな」


「そんなに凄い人に喧嘩を売ったんだから情けないわ」

そうしてオムライスが来た。


「凄い美味しい」


「体を動かした後だと余計美味しく感じるだろう?」


「うん。また午後からもトレーニングするの?」


「ちょっとだけな、今日は寄りたい所もあるんだ」


「どこに行きたいの?」


「美容室でそろそろ染めてもらおうと思ってね。黒い毛が目立つようになってきたから」


「あたしも美容室いきたいな~毛先を切ってパーマ当てたい」


「じゃあ午後からちょっとトレーニングして美容室一緒に行くか」


「うん。いつでも一緒だね♪」

食後のコーヒーを飲みながら少し雑談してジムに戻った。


「食ったから動かないとな。綾もサンドバッグ叩きでもする?」


「うん、やりたい」

そうしてグローブをはめさせるとサンドバッグにパンチを繰り出した。

結構重めの音が聞こえた。

もしかしてボクシングのセンスあるのかも。と、ちょっと思ったがものの数分で疲れたと言ってサンドバッグ叩きをやめた。


「サンドバッグ叩くの疲れるだろう?」


俺はそう言ってグローブをはめサンドバッグを叩く。

叩き続ける事数十分、綾はずっと隣で見てた。

そして縄跳びも教えてやった。


「このスピードでやるんだよ」


『ヒュンヒュンヒュン』と音が鳴る。


綾も挑戦してみるがなかなか上手く行かない。

まぁこれは普段やってないと出来ないもんだしな。

そしてトレーニングを終える。

綾と俺はコーチに挨拶をして美容室へ向かった。


「尾崎君今日は彼女と一緒かい?」


綾は顔を赤らめて「彼女だなんてそんな~嬉しい事言ってくれますね♪」と言った。


「今日はどうしたんだい?」


「根元が黒くなってきたんでまた染めて下さい。綾はパーマかけたいと言ってます。」


「おやすいごようさ。ささっコチラヘ。彼女さんは奥にどうぞ」

そして髪の黒い部分をブリーチして色を抜いてゆく。

綾は毛先をカットして緩やかにパーマを当ててもらっていた。

そして金髪部分にピンク色が入ってゆく。

そしてちょっとだけカットしてもらった。


マッサージをしてくれるが正直痛いだけなので止めてもらった。


「これで完成ですよ」


そういうと俺の髪の毛の黒かった部分にピンク色が入った。

俺は綾が終わるまで旅行雑誌を観てた。

しばらくすると綾が向かってくる。

「どう?似合うかしら?」

綾はロングの茶髪を金髪に染めて新たにパーマがかかっている。

可愛いと思った。


「似合ってるよ。いいんじゃない?」


そう言ってお会計をして家に戻った。

綾はバイクに乗るともの凄く飛ばす。綾に抱きついてないと振り落とされそうだ。

家に着くと「シャワーを浴びて来れば?」と俺は言う。

「一緒に入ろうよ♪」そう誘ってくるが断った。


俺が先に入って綾は後に入る事になった。

一足先にシャワーを浴びて部屋で待っていると、バスタオル1枚で綾が入ってきた。

襲いそうになるがグッとこらえる。


「服着ろよ」そういうと綾は「暑いんだもん」といいしばらくバスタオル1枚で過ごしていた。

そして服を着替えに洗面所へ向かう。


戻ってきた綾に「今日は疲れただろう?ちょっと横になるか?」というと、「真吾も一緒に横になって」という。

俺も疲れたし横になるか、とおもい綾の隣に寝そべると綾が俺の腕を持って枕にしようとしてる。

一生懸命になってるので俺は腕枕をしてやった。


そして2人で昼寝をした。

手が痺れて起きる。2時間くらい経っただろうか。俺は綾からそっと手を抜くと毛布をかけてやった。

夕飯はコンビニでいいな。そう思うと近くのローソンに行って3人分の弁当とデザートを買って戻った。

部屋に入ると綾が起きた。


「おはよう!」俺がそう声をかけると「おはようのキスをして♪」と言って俺は綾にキスをした。


「もう少ししたら柏の彼女が来るからな。喧嘩しないで仲良くやるように」


「え~ずっと2人じゃないの~?」


「柏がいない間遊びに来る予定になってるんだよ」

綾はチッと言った。

しばらくすると1台のスクーターが家の前に来た。

裕子が来たのだ。


俺は外に出ると「裕子免許もってたの? スクーター買ったん?」と聞いた。

すると「試験受けて柏にスクーターを買わせたわ」という。


「まぁ中に入れよ。先客が居るが」そう言って部屋に案内した。


「なんで女がいるのよ! 裕子が言った」

事情を説明するのに5分はかかった。


「あなたが柏の彼女さん? あたしは江川綾宜しくね」


「あたしは小谷裕子宜しく」


「2人とも同学年なんだから仲良くするように」

2人はお辞儀した。


「あなた真吾の元カノらしいわね。残念ながら今はあたしのものよ」

綾が挑発を仕掛ける。


「真吾は誰のものでもないわ。あたしも真吾の事諦めてないんだからね」

静かに女の闘争に火がついた。


「あなたが誘拐されたって子?可哀想に。同情するわ。ギャルなんて真吾の彼女に向かないのよ」


「真吾の彼女になるのはとても危険よ。あなたも同じ目にあうかもしれないわよ」


「あたしは喧嘩に自信があるからそこいらの男には負けないわ」

2人の間で火花が散ってるような気がした。


「まぁまぁ、そんな事言ってないでお互い仲良くな。飯買ってきたから食おうぜ」

そう言って弁当を2人に渡した。

2人は雑談しながら弁当を食べていた。

どうやら喧嘩にはならないらしい。

1時間くらい話しをさせているとお互い気があったみたいでガールズトークしてた。

同じ1人の男が好きという共通点が合ったらしい。

裕子が「今日は真吾に家に泊まっていく~」といい始めた。


「じゃああたしも泊まってくわ。2人にさせておけない」

こうなったら仕方がない2人を泊める事にした。

俺は違う部屋から布団を持ってきて床に敷いた。


「あたし真吾と寝る~」裕子がそう言った。


「あんた彼氏いるんでしょ。あたしが真吾と寝るわ」

言い争いになっていた。


「お前等2人はベッドで女同士仲良く寝ろよ。俺は床に寝るから」

まぁトランプでもしようじゃないか。

そう言って雑談をしながらトランプを楽しんだ。

裕子が眠たいと言って先に寝た。

綾は「おやすみのキスをして」そういうと俺は綾にキスをして床の布団に寝た。


翌朝目覚ましが鳴る。それで2人は起きた様だ。俺は目覚ましを止めて壁に叩き付けてまた寝た。

起きると2人が楽しそうに喋っている。

それをみてホッとした。


「あたしメイクとかしないとだから帰るね」

綾がそう言った。


「あたしもメイクしないとだから一端帰る。また夜来るね♪」

裕子がそう言った。


「あなたが来るんだったらあたしも来ないとね。2人にさせとけないわ」

綾が口を挟んできた。


「今日は原と真也も来るかもしんないからそのつもりで」

そういうと2人を送り出した。



嵐のようなGWゴールデンウィークはまだまだ続くのであった。



Coming soon!!

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