第9話 ~調和~
俺達は国道に向かって走り出した。
いつ
程よい緊張の中、連隊を組んで走る。
国道に出た。ここからは
しばらくゆっくりとバイクはアクセルをカラ吹かしして走る。
ゆっくりだけど基本近信号無視だ。信号で待っていたらバラバラになってしまうのである。
そうして走っていると対向車線からもの凄いスピードで走ってくるバイクを筆頭に車達がいた。そう
一瞬のうちに通り過ぎると柏は言った。
「やっぱり今日も
おいおいフラグとしか思わない台詞吐くんじゃねーよ。俺は心の中でツッこんだ。
するとしばらく走ると対向車線にもの凄い数のバイクと車の集団が騒音を立てて走ってくる。速度はゆっくりだ。皆こっちを見てる。
「おい柏ぁ。あれは何者だ? かなりの台数いるっぽけど」
「あれが
「ほほぅ。じゃあどっかで
「そうですね。族長会議の時もそう決めてましたから。
「あれから族長会議は開いてないのか?」
「そうっすね。前に族長会議開いてからまだ開催してません。来週あたりやるんじゃないでしょうか」
しばらく走っていると後ろからパッシングされ続けた。
柏はホーンを鳴らすと公園に向かい始めた。
公園の駐車場に皆が車やバイクを止めた。
すると
「頭は誰だ!出て来い!」俺は柏に行けというが、柏は「尾崎さん対処して下さい」と消極的な事を言っている。
しょうがなく俺がスタスタと前にでると、「俺が神鬼没纏めてるモンだ」と挨拶した。
「最近新しく出来たチームってのはお前等か? 俺達の走りを邪魔するようじゃ潰すぞコラ!」神埼は怒っていた。
俺はなだめる様に「じゃあ提案があります。走る時間ズラしませんか?そしたら俺達とあんたらの走り邪魔しないで済むでしょう。俺達も大所帯なんで国道を使いたいんです」
「まぁここで戦争をするよりその方が穏便に済むな。じゃあ走る時間決めようじゃないか」
神埼も案外物分りのいい奴だった。
「じゃあ走る時間帯は頭の柏と相談して決めてくれ」
「おいピンク、お前が頭じゃないのか?」
「俺は用心棒みたいなもんだよ。神鬼没の頭は柏だ。柏、高橋ちょっと来てくれ」
柏と高橋が側にやってくる。
「今度から時間決めて走る事になった。そこら辺の相談よろしくな」
そうして神埼と柏達の話し合いが始った。柏と神埼は顔見知りっぽいから上手くいくだろう。
「なんであんなピンクのクソガキの傘下に入ってるんだよ」
神埼がそう言う。
「実は喧嘩で負けてな。高橋も負けたんだ、んで傘下に入る事になった。別に悪い人じゃないからそんな気にしてないけどな」
柏がそういい高橋が頷く。
「今度俺がボコにしてやろうか?」
神埼が言う。
「神埼の強さは分かってる。でも尾崎さんの強さはハンパじゃねー。何せ俺が手も足も出なかったんだからな」
「俺も全然歯が立たなかったよ。んで
柏と高橋がそう言う。
「ふ~ん。そんなに強そうには見えないけどな。今度ケリつけてやるよ。お前等の分もキッチリ上乗せして」
「いやいやそんな事しなくてもいいよ。俺等は俺等で前よりも楽しくやってるしな」
柏がそういうと神埼はニヤリと笑った。
「いつから腑抜けになったんだ?鬼没といえば武闘派だろう?その武闘派の誇りはどこへ行った?」
「今でも武闘派で通してるよ。いつ誰の挑戦でも受けるよ。もちろん
「今度カチ合ったら戦争だからな」
「戦争にならない為に話し合いしてるんじゃねーか」
柏は本題に移った。
そして話し合いが終わる。
「お待たせしました。話し合い済みましたよ。水曜と土曜は時間決めて被らないように走るってことで和解しました」
柏が少し喜んでそういう。
「ふ~ん。よかったじゃね~か。これで戦争にならなくて済むな」
そういうと神埼は
しばらくして爆音が辺りを埋め尽くす。どうやら
柏が口を開く。
「尾崎さん、多分神埼は尾崎さんの事狙ってますよ。あいつシャブ中だから恐怖ってもんが無いんですよ。ヤバイと思います」
「シャブ中か、背後にヤーさんでもいるのかな? まぁシャブは止めさせないとだな」
「
いくら犯罪行為でもクスリはダメだ。どうにかしなくちゃな。俺は思った。
広場に目を向けると皆楽しそうに話をしている。
柏にコーラを買って来るよう命じるとブランコに向かった。
柏がコーラを買ってきた。
『プシュ』いい音を立てて空いた。
「柏も輪の中に入ってくるといい。俺はここに居るから帰るとき呼んでくれ」
「わかりました。ちょっと行ってきます」
30分が過ぎた頃だろうか、皆が帰ってゆく。
柏も近づいてきて「お待たせしました。家まで送ります」
「おぅ!」そういうとリンカーンマークVの助手席に乗り込んだ。
家まで送ってもらった。
「また今度時間あれば集会に参加して下さい」
「まぁ俺行っても行かなくてもどっちでもよくね?もう大分落ち着いたし」
「いえいえ尾崎さんが居ないと何かあった時俺1人では収拾つきませんから」
「わかったよ。出来る限り行くようにしてやるよ」
そう言って柏は俺に一礼して帰って言った。
『ドロロロロロ~』V8サウンドが深夜の住宅街に響き渡る。
俺はシャワーを浴びてベッドに入ると考えた。
クスリはマズイよな~なんとかして止めないと。
そんな事を考えながら眠ってしまった。
翌朝9時に目が覚めた。
リビングに行って朝食を済ます。
「お昼は食べる~?」
「外で食べるからいいよ」そう答えると部屋に戻った。
小柳から貰ったチケットを見る。関係者席だと!
つまりは1番前だ。
よくこんなチケットくれたな。と思いつつベッドに横になりながらチケットを眺めていた。
13時試合開始とチケットには書いてある。
時間まで暇なので大学受験のテキストをやる。
歩いて行くの面倒くさそうだな。
柏に電話をかける。
「お疲れ様です。何かご用ですか?」
「ちょっと送ってほしい所があるんだけどいいかい?」
「おやすい御用です、今からですか?」
「30分後位に来て欲しい」
「分かりました30分後に行きます」
そして30分ボーッとしていた。
V8サウンドが聞こえてきた。俺は外に出る。
「悪いな私用で呼び出してしまって」
「今日はどうしたんです?」
「総合体育館まで乗せて欲しくてな」
「おやすい御用ですよ。ササッ、乗って下さい」
軽く雑談をしながら総合体育館へ向かう。
着くと「ところでなんでこんな所に来たんですか?」
「俺が行ってるボクシングジムの先輩のプロ初戦の試合があるんだよ。格闘技も参考になるから観ておいたほうがいいぞ」
「チケット買ってやるから柏も試合観て行けよ」
「いえいえとんでもないチケットなら自分で買いますよ」
そういうと入り口でチケットを見せると関係者室に案内された。
柏は一般の席を取った。
関係者室へ行くと小柳がシャドーボクシングをして体を温めている。
俺は近寄ると「減量通って良かったですね」と声を掛ける。
「尾崎君か~減量はそんな苦しくなかったよ。今日の試合観ておいてくれ。絶対勝つから」
「関係者席なんで近くで観てますよ。勝つって信じてますから」
そういうと小柳はニヤリと微笑んだ。
ヒマなので時間が来るまで他の試合も観ていた。
柏を見つけ近寄ると話しかけた。
「どうだ? ボクシングもいいもんだろう?」
「なんだか観てるこっちまで興奮しますね。尾崎さんもボクシングやってるんですか?」
「そうだよ。言ってなかったっけ? 今回プロで出場する小柳相手にもスパーリングで勝ってるよ」
「聞いてませんよ。どうりで強いわけだ」
そうして雑談をしてると小柳の出番が来た。
俺は関係者席に戻ると小柳に「ボディブローには気をつけろ。」とアドバイスをした。
ゴングが鳴り試合が始る。
1R目は小柳がちょくちょく動き回りジャブを的確に決めていった。
どうやらポイントを稼いでるようである。
そうして7R目に動きがあった。小柳はお得意のアッパーをストレートでがら空きになった顔面へと放つ。すると相手は倒れた。
8カウントでファイティングポーズを取る。
そして小柳はラッシュした。そして2度目のダウンを奪う。
これで判定になっても勝てるだろう。
そう思った瞬間ゴングが鳴る。
8R目も最初から飛ばしまくる小柳。相手はもうスタミナ切れ状態っぽかった。
小柳のアッパーが炸裂する。
そしてボディブローを何発か入れると相手は崩れ落ちた。
10カウントでも起きない。TKO勝ちだ。
判定まで行くと思ってたのに割とあっさりと倒した。
小柳はそこそこ強いのかもしれない。
コーナーで小柳が戻ってくるとコーチとなにやら話をしている。
俺が近づくと「尾崎君観てくれた? TKO勝ちだよ。相手を尾崎君に重ねて試合してたんだ」とボコボコの顔で言ってくる。
「初戦突破おめでとう。でも上位に行くほどきつくなってくはずだからこれからも練習頑張りましょう」俺はそう言った。
「尾崎君を倒せるくらいになりたいよ。そしたら世界チャンプも夢じゃない」
「そりゃ大袈裟だよ。俺だってチャンプになんてなれないですよ」
「だってスパーリングした時の尾崎君出鱈目な強さだったよ」
「そりゃ~階級が違いますからね。ライトフライとミドルとではパンチの重みが違いすぎるから」
「俺もチャンプ目指して頑張る」
そう興奮した小柳が言った。
「まだ初戦ですからね。先は長いですよ。最低でも10勝はしないと」
「そうだね上には上が居るもんね」
「じゃあ俺は帰るよ。お疲れ様。負けて俺の拷問喰らわなくて良かったね」
「ハハハッ」
そう言って柏の元へと向かった。
「どうだった?」俺は柏に尋ねると
「興奮しましたよ。プロの世界はやっぱ違うな~。俺も喧嘩に自信あるけど手だけしか使っちゃいけないって縛りもあるし多分プロには勝てないっすね」
「小柳程度なら柏でもワンチャンいけるんじゃね?」
「いやいや無理ですよ。尾崎さんに手も足も出なかったんですから。それにあの小柳ってプロにも勝ったんですよね」
「まぁ階級の差があるからね。割とスパッと勝ったよ1Rで」
柏はポカーンとして聞いて来た。
「あのプロ相手に1Rで勝つなんて強すぎじゃないですか」
「まぁね~これで俺を見直したかね?」
「はい、尾崎さんの事また見直しました」
「さぁ帰るか。家まで送って行ってくれる?」
「この後のチャンプの試合は観ないんですか?」
「興味ないね。小柳の応援に来ただけだから。知らない奴が戦ってるのをみても面白くない。ライトフライなんて用はないからな」
そう言って総合体育館を後にする。
柏はまだ興奮してる様子だった。
「ボクシングっていいな~。俺も始めてみようかな」
「リングの上では華やかだけど裏では凄い地味な努力してるからな。コツコツとやる根性が無かったら出来ないよ」
「俺コツコツと何かやるの苦手ですからね~」
「でもお前強いじゃん。この街でも有名な位だから」
「尾崎さんに会う前の話ですよ。名前は売れてますが尾崎さんに負けたって噂も広がってるから、喧嘩売ってくるやつが多くて。ボコボコにしてやってますけどね」
柏はこの街でも有名な強さだ。俺からしてみればやはり素人なのだが。
「最近喧嘩売ってくる輩が多いのが悩みどころなんですよ。どうにかして威厳を取り戻したいんですけどね」
「ザコならナンボ相手したっていいじゃん。その分お前が強くなれるんだぜ。相手に感謝でもしながら喧嘩してみろよ」
「そんなもんすかね~」
そうしてリンカーンマークVの助手席に乗り込む。
「ボクシングやりたいならジム紹介してやるよ」
「いや、いいっす今からだと遅いような気がしますし我流の喧嘩でいきます」
そういった雑談をしながらうちに着いた。
「今日はありがとな。付き合ってくれて。」
「いえいえ。いい物見せてもらいましたしお礼言いたい位ですよ」
「じゃあまた明日学校でな」
「失礼します」
そう言って柏はV8サウンドを響かせ帰って行った。
家に帰ると「真吾どこに行ってたの?」と母が尋ねてくる。
「ボクシングの試合観に行って来た」
「じゃあプロになる気が起きたのね」
「俺はサラリーマンになるよ。プロなんて世界1位で防衛しないと金入ってこねーし」
「現実的なのね。夢や目標を持つのは大事よ。貧乏でも実家からボクシングにいけばいいじゃない」
「俺は貧相な生活をするのが好きじゃない。だから安定した会社に入るか弁護士、検事、裁判官目指すよ」
「あら、国家公務員目指すなんて中学の頃は全然そんな事言わなかったのに変わったのね」
「高校生活もあっという間だから今の内に勉強しとくよ」
そういうと部屋に戻った。
テキストに向かって勉強を始める。
20時近くなっても原と真也は来ない。
まぁデートで仲良くやってるんだろう。そう思いシャワーを浴びた。
パジャマに着替えちょっとだけゲームをした。
原と真也にいつまでも負けてられねーからな。
そう思いゲームをしてると昔の感覚が蘇ってきた。
全然イケるじゃん。そう思ってゲームをし続けた。
首都高バトルとグランツーリスモもちょっとは進めておかないとな。
ゲームを取り替えてストーリーを進めた。
あっという間に23時だ。
明日は学校だし今日はもう寝よ。
そう思いベッドに入った。
小柳結構強かったな。あれだと全日本チャンプ位夢じゃないかもな。
そう思い眠りについた。
翌日学校へ付くと佐伯が俺の所に飛んで来た。
「神鬼没の集会どうだった?」
俺が神鬼没のリーダーだと言う事は全校生徒に知れ渡ってるようだった。
「俺達も神鬼没に入れるかな?」
グループで来た生徒達がそう言った。
「集会はちょっと
そういうとグループの連中が盛り上がって興奮した。
「柏ならもうすぐ来るんじゃねーかな」
そういうと柏が教室に入ってきた。
「おはようございます。昨日はありがとうございました」
「お前律儀だな~礼なんていいって。それより神鬼没に入りたってこいつらが言ってるんだけど入れてやってくれる?」
柏はグループの連中を睨み付け「チャラついた程度で入れる程甘くはねえぞ! 気合見せるなら入れてやってもいい。喧嘩上等なら入って来い!」
グループは固まった。
そして口を開く「覚悟は出来てます。よろしくお願いします!」
そう言って新たに神鬼没のメンバーは増えていった。
他の学校でも神鬼没に入りたいって生徒が結構いるらしい。
俺は柏に「リーダー頑張れよ。俺は知らねえけど」と言う。
「ハイッ!精進します」といい教室から出て行こうとしたが、「柏ちょっと待て。ペンの売り上げを渡すから」そう言って12万柏に渡した。
「えっ、こんなにですか?」
「お前が売った分の配下が稼いでくれたんだよ。配下に感謝しろよ」
「有難うございます」
そう言って柏は満足気に教室を出て行った。
あゆを呼び出すとあゆにもお金を渡した。
「ペンの分だ。大事に使えよ」そういうと4万渡した。
「マジでぇ~超嬉しい。ありがとね♪」
そうして配当金を配る作業を行った。
手元には150万近い金がある。
帰ったら原と真也にも金渡すか。
そう思うとホームルームのチャイムが鳴った。
俺は興味ないので中古車雑誌を眺めていた。
このままいけばポルシェもワンチャンあるんじゃね。そう思った。
学校が終り。銀行へ行った。とりあえず100万預けよう。そう思い窓口に行って100万預けた。
100万預けるとティッシュを3箱貰った。
家に帰ると原と真也が居た。
「お前等にもペンの売り上げやるよ」
そう言って2人に数万円渡した。
「俺金に困ってたんだよ。サンキュー」
原が言うと。
「もっと金入ってこねーかな~」
真也がボヤく。
「バイトでもして汗水垂らして働け!」
そう俺が言うと「バイトなんてやってらんねーよ。時間なくなるし」原が答えた。
「お前中学の時新聞配達やってただろう」
「目標金額に到達できたからもう辞めたけどね」
原が自慢気にそう言ってきた。
「あとは誕生日待つだけ。真也も一緒に行って免許2人で取るんだ。真吾は免許取らないの?」
「バイクにはあんまり興味が無くてな。バイクなんて無免でも俺は乗れるし」
「じゃあ車でも買うの?」
「そうだな、今は貯金しておきたいな」
俺はそう言った。
「今後またペンの配当金やるよ」
そういうと2人共喜んだ。
街中で俺の開発したペンが流行ってるようだった。
中には20万以上の利益を出した奴もいる。
基本お金の受け取りはうちでやる事になっている。
最近は他校の生徒達がよくお金を貰いに来る。
そして俺は支払うのであった。ちょっとチョロまかしてお金を抜いているのである。
ペンの方は上手く言ったな。第二段を考えねば。そう思っていると真也が話しかけて来た。
「俺の同級生の女の子で結構可愛い子が真吾のファンだって言ってるけど紹介してやろうか?」
「ファンには手を出さない事にしてるから、その気持ちだけでいいよ」
「そうか。残念だな。それにしても真吾彼女作らないの?」
原がまた言ってきた。
「お前等がうちに来なくなったら彼女でも作って楽しい人生満喫するさ」
原と真也は訳がわからないというようでポカーンとしていた。
こいつらがうちに入り浸ってるうちは彼女なんて出来ないだろう。もし作れたとしても彼女との時間を大幅に割く事になる。
前の世界では忙しくて彼女作れなかったが、今の世界では原と真也のせいで彼女が出来ない。理不尽だ・・・・・・そう思うとムカついてきた。
「そういえば今日銀行でティッシュ3箱貰ったから1個ずつお前等にやるよ。これから必要になってくるだろう? ムフフ」
そういうとティッシュボックスを2人に渡した。
「サンキュー真吾」原が言った。
「これで心置きなく彼女を襲えるな。原頑張れよ」
「俺キスまではしたよ。でもその先がね。」
原は悩んでいた。
「そんなん家に連れ込んで襲えばいいじゃん。簡単だよ。」
「彼女が居ない真吾にいわれてもな~。」
「要は行動力だよ原君! よ~く聞きたまえ。彼女がいて何回もデートしてるのに襲わないってのは女の子からしてみたら『気が無いんじゃない?』と思う訳だよ。だから存分に襲え!」
2人ともなる程と言って次回頑張ると言った。
「ま~グダグダ言ってるがお前たちの事応援してるんだぞ。だからゲームでもして早く帰れ」
「真吾もゲームしない?」
真也が言った。特訓の成果を見せてやる。
「じゃあちょっとだけな」そう言ってゲームで勝負した。
しかし結果は惨敗だった。もうゲームは諦めよう、そう思った。
思春期の学習能力は目を見張るものがある。
「そのゲームに対する情熱を勉強に入れ替えればお前等もいい成績取れるんじゃね?」
「授業聞いてちゃんとノートに取って真吾に隠れてこれでも勉強はしてるんだよ」
原は言った。
「俺の学校甘いから結構適当でもいい点撮れるんだ」
真也も続けて言った。
「将来大学とかも目指すなら勉強は今からしておいた方がいいぞ」
「今が楽しければいいもんね~」
原が笑いながらそう話す。こいつらには言っても無駄か。
「そういえば真吾いつの間に頭良くなったん? 中学の頃は平均的な順位しか取れてなかったじゃん」
「まぁ高校生たるもの変わるものだよ諸君」
俺は話を誤魔化した。
そして雑談しつつゲームをし数時間が過ぎた。
「そろそろ帰りたまえ。ゲームはまた今度でもいいだろう。俺は眠い」
そういうと2人を窓から追い出した。
さてと、シャワーでも浴びて寝るか。
そしてシャワーを浴びベッドに潜り込んだ。
問題は
そんな考えが頭をよぎる。
でも俺には関係ないか~。そう割り切るといつのまにか眠っていた。
そして次の日午前中は爆睡してた。昼休みにあゆにノートを見せて貰ったら「授業くらい真面目にきけば~?」っと言ってきたがスルーだ。気にしたら負けだ。
「なんか真吾大人っぽくなったよね。何かあったの?」
あゆが痛いところを突いて来る。
「特に何もねーよ。毎日いたって平穏だ」
「暴走族と絡むの辞めたら?何かあってからじゃ遅いんだよ」
俺は華麗にスルーした。
そして火曜は特に何事も無く過ぎた。
水曜日の朝学校へ行くと朝柏が教室の前で待っていた。
今日またイベントが起こるなんて予想していなかった。
Coming Soon!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます