第11話 変異種

 


 またゴブリンの集落を見つけて、いつものようにサクッと潰していたら、声が聞こえてきた。



 《魔素量が上限に達しました。狂人形(マッドレイ)から狂麗体(メビウス)に進化致します》



 進化。初めは変化だったが、今度は進化でアリスは強化される。


(おぉっ? 身体が少し大きくなって、服も綺麗になったか?)


 服は凄くボロボロのドレスからまぁまぁボロボロのドレスになったようだ。容姿は変わらないが、身長が80センチぐらいに伸びた。たった10センチだが、生き物で弱点になる首への距離が少しでも近くなったのは助かる。

 声はまだ終わってなかったようで、次は新しいスキルが生まれていた。



 《変異種になり、特殊固有スキル『人形遊戯(ドールフェスティバル)』を獲得致しました》

 《通常スキル『自己再生』を獲得致しました》

 《通常スキル『物理耐性』を獲得致しました》



(ん? 変異種って言ったか?)


 更に特殊固有スキルを獲得したことも気になった。とにかく、ステータスを見ればわかるかなと思い、確認して見たら驚いた。





 ステータス

 名称 アリス

 種族 狂麗体(メビウス)変異種

 称号 ”集落堕とし者”

 スキル

 希少スキル

『自心支配(マイコンラート)』、『暗闇眼(ダークネス)』【鑑定・黒霧視点・愚焔】


 特殊固有スキル

『人形遊戯(ドールフェスティバル)』【作成・操作・自爆・収納】


 通常スキル

『無痛』、『防水』、『思考』、『瞑想』、『遠視』、『魔力操作』、『魔爪』、『狂気発作』、『自己再生』、『物理耐性』




 希少スキル『暗闇眼(ダークネス)』もそうだが、特殊固有スキル『人形遊戯(ドールフェスティバル)』に様々な効果があり、その詳細が見れるようになっていたのだ。いつの間に、称号が”集落堕とし者”になっていたが、特に変わった効果がなかった。称号のことは気にしなくてもいいかと思いつつ、『人形遊戯(ドールフェスティバル)』の効果を読んでいく。自爆とか効果を見なくても意味がわかるのもあったが……


「自爆って、地雷スキルにしか見えねぇが……」


 とにかく、意味がわかる能力であっても、詳細を確認していく。読み終わった後は、地雷スキルと言ったことを撤回していた。

 そして、使い方をシミュレーションをして見たら……結構使えるとわかった。『自爆』でさえもだ。戦闘方法の幅が広がり、口元がにやけそうになる。






「アハハッ、使える。使えるな!! 早速、人形を作成したい所だが……材料が必要になるな」


 材料なら、今まで潰してきた集落にある。ここにゴブリンのがあるが、それよりもオークの方が質が高い。ただ、ゴブリンよりオークの方が強く硬いからだけだが。


 あと、変異種と書かれた文字があるのだが、普通の種族ではないとしかわからない。誰かに聞けばわかるかもしれないが、聞ける相手がいない。だが、人間に聞く選択はない。

 人間に出会ったら、すぐに襲ってしまいそうだからだ。


(あのロドムの奴にまた会ったら聞いてみるか? 他に、話が通じる魔人がいたら聞くのもありか?)


 わからないことは、今後に出会った魔人とかに聞けばいいと頭に留めておき、オークの集落があった場所へ戻っていくのだったーーーー









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