第2話俺は奴隷で買われたもの

俺は今日で2度目の敗北をした。1度目は俺の仲間が人間に捕まったと報告を受けた何がムカつくって敵からどこにいるのか居場所を送られたことだ、俺は1人で襲撃を仕掛けた。薄暗い洞窟にあった基地に攻撃を仕掛ける、見かけた人間を片っ端から殺していく、剣を持とうが集団で襲いに来ようが無駄だお前らごときに俺は捕まらない、でも何だろうかこの違和感はなぜ女、子供まで全線に出ている?なぜそんなに怯えている?なぜ、、、、、そんなに体が細い?

そんなことを考えながら俺の仲間がいる最奥のところまで向かった。そこで見たのは人間と手を組んで俺を誘きだした、同じ獣人の同じ仲間だった。

俺はそこで捕まった、何度も殴られ何度も蹴られ暴言を吐かれたきっと洗脳されたに違いない。

そしてさっき俺は俺を買ったクソッタレに負けた、ずるをする様子もなかった、正々堂々戦っていたんだろう、だが俺の攻撃は1度も当たらなかった、俺はなんて、、、、弱いんだろうか


       ・  ・  ・


「、、、こ、ここは?」


俺はご主人様クソッタレに負けた、一発だ負けた、顎に回し蹴りを1度喰らっただけで俺は気絶した。なんともまぁ情けないこんなので仲間を救えるはずが、、、


「お目覚めかな?」


隣から声が聞こえ俺は驚きつつそっちを見た、俺に声をかけたのは俺を一発KOしたクソッタレだ


「何のようだ?俺をお仕置きしにでも来たか?」


こいつは俺と殺しあいをしたこいつは、このクソッタレは腐っても俺のご主人様にだ、それは変えようのない事実、どんなに悔しかろうがだ

それに俺はこいつに生意気な事を言ったのも事実だ、それは俺を罰するに値する。ぐらいにだ


「お仕置き?なんでそんなことしないとダメなんだ?」


俺の前の男が、不思議そうに言った


「俺はお前に、お前が気に入られねぇことをしただから俺は罰を受けて当然だ」


俺は分かってない顔をしているこいつに、答えた。


「俺が気に入らないこと?んーじゃあ罰を執行する必要はないな、お前との模擬戦楽しかったし」


「楽しかった、、か」


楽しかったつまり俺の攻撃は驚異に至らなかったってことだろう


「まっ!そんなことはどうでも言いや!!体は動くか?仕事して欲しいんだが?」


目の前の男が手をパンッと叩くと、下を向いていた俺の顔は、目の前の男を見た。男は楽しそうに言った。悪いなく楽しそうに、それでいて不思議そうに


「あぁそうだな寝ていた分どんな重労働も受けてやるよ」


「おぉ!それは心強い!じゃあ俺のボディガードよろしく頼むよ?」


ん?こいつなんて言った?ボディガードって言ったか?俺はもっと昔俺を飼っていやがった、奴らのように食料運びや拷問者として仕事をされるのかと思ったが、まさかボディガードとはな、しかし気がかりな事がひとつある


「俺よりつえぇくせにボディガード必要か?」


俺が疑問を問いかけると、目の前の男が恥ずかしそうに頬を掻きながら言った


「いやぁ~、俺さ顔がこれじゃん?それに性格も結構適当でさ同じ貴族に舐められるし、盗賊に良く会うしで色々苦労してるだよ~だからあんたみたいな怖くてそれでいて力も充分にある奴が近くにいるだけで俺はありがたいんだ、ダメか?」


「まぁ、、、別に良いが、、」


こいつは本当に俺達奴隷を買った飼い主なのだろうか?なぜ、俺にこんなに低姿勢なんだ?



「じゃあ、屋敷を案内してやる!お前1週間も寝てたんだ!ほらほら早く早く!」


「な!?それは本当か!?俺が1週間も?」

俺は目を見開いたまさか、この俺が1週間も寝ていたとわな、だいぶ弱くなったものだ、、、いやこいつが強すぎるのか


「いや~、獣人と戦うなんて久しぶりで、、、想いっきりアゴに回し蹴り喰らわせたら、全然起きなくなりもうして、、、アハハ、、、ま、まぁ、そんなことは忘れてくれ!!さぁ!お屋敷を案内してやるぞーーーアハハハハ!」


下手したら俺はそのまま死んでたかもな、クソッタレは汗をだらだら滴しながら、俺の腕を引っ張り、案内をしようとする。こいつは本当に俺を買ったご主人様なのだろうか?


「あ、そう言えば名前何なんだ?ずっと聞きたかったんだ」


急に止まり俺の方を向きながら言う。そう言えばこいつずっと俺の名前が聞きたかってたな


「俺の名はユダヤ・キンレンカ、元獣人族レジスタンスのリーダーだ」


「ホーン、ユダヤか良い名前だな!ちなみに俺の名はジン・スカーレットだ!よろしくな」


俺に笑顔を向けながら、俺の名前を端的に誉めたあと、自己紹介をするこのクソッタレ、、、このとき俺はジンに少しだけ心を許してしまった。こいつなら、、、、いやこいつは俺を買った奴だどうせ他の奴らと同様に酷いことをする。

なんて、考えているとふとあのエルフのガキを思い出した


「なぁ、、クソッタレ」


「おん?どうした?」


「あの、エルフのガキはいるのか?俺の太ももよりも少し小せぇガキだ」


ジンは少し考えたあと、俺に振り向いた


「あぁ!ユザベラの事か!!あいつなら働いてるぞ!見に来るか?」


あんなちぃせぇガキもやっぱり、重労働をさせるのかと俺は目の前の男に落胆した。


「あぁ、見てやるよ」


「いや、そんな死刑執行する、執行人みたいな覚悟を持たれても」


クソッタレが何か言ってたが今の俺には届かなかった、俺は今からユザメラと言われる、エルフのガキを見て謝るつもりだ助けると言ったのに助けれなかった事をそれで、俺が今からどんな重労働をされるのかを覚悟しながら


       ・  ・  ・


「な、なんだこれは、、、」


俺が見た光景は、俺と一緒に買われた奴隷達が元からいたであろうメイドや執事たちと楽しく厨房で働いている様子だった。


「あ!獣人のおじさーん」


俺に近づいてきたのは、さっきまでクソッタレと話していたユザベラと言う小さいエルフのガキだった


「お、お前、、、」


「あのね!あのね!私ね初めてハンバーグ作ったの!それでね!お洗濯もしたし!たくさんお話しも出来たんだ!」


楽しそうに俺に話すユザベラに、俺は戸惑いを隠せなかった、ユザベラの笑顔に怯えはなかった、分かったのはただ素直に心から楽しいとユザベラが思ってるって事だけだ


「そうか、良かったな、、、」


俺は戸惑いながらもユザベラの頭を撫でるとユザベラは「えへへ」と言いながら笑みを浮かべていた。


「ユザベラちゃーん、悪いんだけど皿洗いお手伝いしてくれるかしら?」


厨房の方から声が聞こえた


「はーい!今行きます!!じゃあね!おじさん!」


俺に手を振ったあと、そそくさと皿を洗いに向かった、台に乗り回りにいる他のメイドと一緒に洗っていた、俺はただ何が起こったのか分からずただ突っ立ていた


「俺が奴隷に酷い重労働を強いているとでも思ったか笑?」


「、、、、!?、、、」


俺の方を子供のような悪戯の笑みを浮かべながら俺を見る。図星だから言い返せないのが1番腹立つ。

俺達は厨房を出て廊下を歩いていた


「俺が本当に重労働をさせてたら、逆に効率下がるでしょ?だから俺はちゃんと労働時間も休日も与えて効率をあげる方が良いだろ?」


頭に手を持ち飄々としながら喋っていると思ったら、最後にこっちを見てウィンクをしやがった、男にされても嬉しかねぇ

、、、それにお前が普通そうに言うことは異常だってことにこいつは気づいていないのか?

そのあとも俺はクソッタレと、一緒に屋敷を回った、どこに行っても奴隷みんな笑っていた。その笑いは媚びるような笑みじゃないただ楽しそうに、本当に楽しそうにしていた。

エルフも人間もドワーフも、何なら魔族まで嫌がるこの屋敷はやっぱり、狂っているな何て思いながら俺はクソッタレの横にたって歩いていた、ずっと話しかけてきてうるさかったが悪いきはしない


俺は最後にこのクソッタレ、いやジン・スカーレット領主の部屋に向かう。


「いや~、やっと付いた俺の部屋!」


ガキみたいに言いながらジンは扉に手を掛け、キィーと音を立てながら扉を開けた、中は意外と綺麗だった、ソファーとテーブルそして、その奥にこいつが普段座っているであろう、他の椅子より一段と高そうな椅子があった。


「この花は?、、、」


俺は机に大切そうに置かれていた、花瓶を見つめた、そこには当たり前だか花が飾ってあった。


「おぉ!それに目を付けるとはあんた良いねぇ、それはねノイバラって言う花だよ、まぁ造花だけど」


「なぜ、造花にしたんだ?」


「えぇ~?後処理めんどくさそうだったし、、、」


「そうか」


なんとも適当な男なのだろうか、なんて思いながら花瓶を机に置く


「じゃあ、案内も終わったし改めて!これからよろしくな?ユダヤ・キンレンカ」


このクソッタレは 俺に目を差しのばし長らく笑った。

まぁ、悪い気はしない


「あぁ、よろしく頼む、ジン・スカーレット」

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