天での会話

額田兼続

徳川家康

家康いえやすうぅ!」

豊臣秀吉とよとみひでよしがそう叫ぶ。

1616年6月1日。

徳川家康とくがわいえやすが亡くなった日である。

ここはあの世。

「よくも、よくもわしを裏切ったなぁぁ!?」

凄い形相で睨んでいるが、見た目はおじいちゃんのままなので、あまり怖くはない。

「ハゲネズミ、落ち着け」

そういったのは、日本人なら知らない人はおそらくいないであろうあの織田信長おだのぶなが。秀吉のあだ名は猿ではなかったようだ。

「はい…」

しゅんとなった秀吉。が、

「家康許すまじいぃ!」

秀吉とほぼ同じ感じで突入したのは淀殿よどどの。信長の姪っ子である。

「…家康殿…」

なんだか淀と秀吉の子である豊臣秀頼とよろみひでよりは闇落ち寸前まで追い込まれたらしい。

「母上…落ち着いてください…」

(上杉景勝に似てるな、これ)

家康は心の中でぼそりとつぶやいた。

「家康殿。ちょっとこっち来てください」

強引に腕を掴まれた。

(この声…)

三成みつなり…?」

「そうですが?」

そのまま、なんか処刑場みたいな所に来てしまった。

(まさか…!?)

しかし、手足はもう縛られている。

「やっちゃえ、三成!」

淀が応援している。

「なんでこんな子に育ったのかしら…」

いちの方がつぶやく。

「ギャアアアアアアアア!?」

家康は三成に気絶するまで首を切断され続けられたのである。

(もう死んでるので怪我とかしたら痛みは感じませんし、どんなところでも怪我は治ります。家康が気絶したのは精神的な限界です)

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